ところで、県はなぜこうした実証事業に取り組むのか?背景には、過疎地の“水道設備”が抱える課題がありました。

(住民の山本英明さん)
「ここなんです」

山本さんの住む集落は、西予市の管理する水道が整備されていないため、5世帯が共同で山の水をろ過して飲み水にしています。その確保には、水槽を掃除したりろ過するための砂を交換したりと、日々のメンテナンスが欠かせません。

(住民の山本英明さん)
「上から枝や葉が落ちるので枝葉の掃除、台風の後、大雨の後と、メンテナンスは随時」

それは、集落一番の若手・現在68歳の山本さんが、ほぼ担っているといいます。

(住民の山本英明さん)
「全部、水を抜いてきれいに掃除するので、1人でやると半日。年齢を重ねると、この重労働が肉体的にも精神的にも苦痛になる」