女は涙ながらに「たくさんの方に迷惑をかけてしまった」

白のブラウスに黒のズボン姿、肩にかかるストレートヘアは綺麗に整えられていました。証言台に立った被告の21歳の女は、涙で声を詰まらせながら発言しました。

「私の行動でたくさんの方に迷惑をかけてしまった...」

証言台に立った被告の女(法廷内スケッチ・後藤克弥記者)

今年6月、闇バイトに応募し、駅や県庁などに次々に不審なダンボール箱を置いた事件。

箱の上部には「声なき声に力を。巻き込まれたくなければ300万を届けるナリ。ポアされたくなければ支払う、それはできるよね?」という脅迫文も貼られていました。

JR岡山駅の東西通路に置かれた「不審物」の撤去(6月19日)

不審物の撤去のため、JR岡山駅の東西通路は封鎖され、岡山県庁、岡山市役所、倉敷市役所などが一時閉鎖という騒ぎを起こし、威力業務妨害の罪に問われている倉敷市の無職の女(21)の裁判。

なぜ女は犯行に手を染めたのか。岡山地裁で19日に行われた初公判で、その動機や、指示役からの具体的な指示内容などが明らかにされました。

「借金は430万円 闇バイトの報酬は40万円」

起訴状などによると、被告の女は今年6月に何者かと共謀して、JR岡山駅や岡山県庁をはじめ県内あわせて6カ所の駅・大学・市役所などに、脅迫する内容の文章を貼り付けた段ボール箱を置き去り、業務を妨害した罪に問われています。

初公判の冒頭で、女は「間違いないです」と起訴内容を認めました。

その動機について、以下のように検察が指摘しました。

「ホストクラブの遊興費や車のローン、消費者金融の借り入れなど、借金の総額が430万円ほどに膨れ上がり、首がまわらなくなった」

「40万円の報酬と引き換えに、闇バイトに応募して、指示役と連絡を取り始めた」