20日は、彼岸の入りです。宮崎県内各地でヒガンバナが見ごろを迎えています。
ところで、このヒガンバナ、なぜこの時期に花を咲かせるのでしょうか。専門家に聞きました。

赤く一面に広がるヒガンバナ。
高原町の皇子原公園では、およそ300万本のヒガンバナが現在、見ごろを迎えています。

20日は町内外から見物客が訪れ、園内を散歩したり、写真を撮ったりして秋の訪れを感じていました。

(訪れた人)
「ぽつんぽつんと見るヒガンバナもいいけど、まとまってみるのもいいですね」「セミの声とツクツクボウシがいい感じで、夏も終わりだなという感じですけど、きょうは心を癒されたいと思っています」

皇子原公園のヒガンバナは、今月いっぱい楽しめます。

(長友幸生記者)
「お彼岸の時期によく見かけるヒガンバナですが、なぜ、この時期に花が咲くのでしょうか」

名前の通り彼岸のころに花を咲かせるヒガンバナ。
なぜ、この時期に花を咲かせるのか、県総合博物館の担当者に聞きました。

(宮崎県総合博物館 植物担当 岩切勝彦さん)
「(ヒガンバナは)独特の生態を持ってます。気温の変化で開花するというふうに考えられています。ちょうどこの時期涼しくなり始めた頃に、花が咲くという生態を持ってます」

ヒガンバナは冬から春は地上に「葉」のみが出て、夏になると「葉」もなくなり休眠期に入ります。

そして、秋に入り、最低気温が20度から25度になったときに急に茎が伸び始め開花するという独特のサイクルになっているんだそうです。

(宮崎県総合博物館 植物担当 岩切勝彦さん)
「夏になったら葉が枯れて落ちるんです。そして地中で準備をしていて、気温が下がってきたら、そろそろかなと思ったら、こいつがこういうふうにシューっと伸びてきて咲く。だから、いつまでも暑いと出てこないんです」

別名「毒花」や「死人花(しびとばな)」と呼ばれ、少し不吉なイメージもあるヒガンバナですが、こんな言い伝えもあるそうです。

(宮崎県総合博物館 植物担当 岩切勝彦さん)
「球根の方にアルカロイドがあるということで、モグラをよけるとか、畑の近くだったら、あとお墓に植えたりして、虫とかが寄ってこないようにというふうな言い伝えもありますけれども、花自体としてはそんなにおどろおどろしいものでありませんので、他の植物同様、美しいものじゃないかなと私思ってます」

この時期に1週間から2週間ほど花を咲かせるヒガンバナ。
見かけたら足を止めて、季節を感じてみてはいかがでしょうか。

(スタジオ)
9月下旬でも暑いままであれば、開花時期がずれる年もあるそうです。