韓鶴子総裁を「お母さま」と呼ぶ娘 「人生を狂わされた」被害を訴える人は…

解散命令請求を巡る動きの中、東京・多摩市では旧統一教会の巨大プロジェクトが動き始めている。

村瀬健介キャスター
「注文者として教団の名前が書かれています。多摩市にある広大な土地、研修施設になる予定の土地です。今ちょうど解体工事が行われているところです」

教団は2022年4月、この土地を購入した。不動産の専門家によると、価格は路線価での単純計算で、約9億7000万円になるという。

多摩市によると、今は元々あった建物の解体中で、その後400人が宿泊できる研修施設が建つという。周辺住民らからは、不安の声が上がっている。

統一教会はNO!多摩市民連絡会代表
「環境の良い丘陵地帯の中にこういう施設が建つことについて、町そのもののイメージがいっぺんに変わってしまうんじゃないかっていう大変な心配がある」

統一教会はNO!多摩市民連絡会メンバー
「やっぱり学校の多い所ですので、そういう人たち(学生)が勧誘のターゲットになってしまうことにすごく警戒している」

高知県の橋田達夫さんは、元妻が教団に高額献金などをしたことで家庭が崩壊、長男が自殺に追い込まれたと訴えている。

1年前、報道特集で初めて実名で被害を訴え出てから、橋田さんの元には被害を訴える人からの連絡が入るようになり、今年から被害者の会を作り活動している。

この日は、「教団に人生を狂わされた」という女性と会うことができた。

娘が40年前に入信した女性(83)
「(橋田さんと出会う)この日を待ってました」

高知県内に住む83歳の女性。娘が約40年前に入信して以来、家族は“教団に苦しめられてきた”という。

娘が40年前に入信した女性
「統一教会で人生を狂わされたと私は思います」

教団への献金を続ける娘からはカネの無心が絶えなくなった。娘が韓国での合同結婚式に参加する際には、ドレス代が必要だとして約200万円を求められた。

1000万円の聖書や500万円の壺は断ったが、17万円の印鑑は娘に勧められるまま購入した。娘が滞納する家賃を立て替えることもあった。

女性
「娘に手紙を出しても帰ってこんし」
「なんぼ電話しても電源が入ってないか、かからない。電波が届かないと」

今では、娘は自分ではなく、教祖の韓鶴子総裁を「お母様」と呼ぶという。

女性
「娘は統一教会の文鮮明、あの人を『お父様』『お母様』っていう」
「長すぎた40年という歳月が本当にもう取り返しはつかんけど、私の目の黒いうちに解散命令をはよう出してほしい」

橋田さんも、教団への解散命令請求を心待ちにしている。

村瀬キャスター
「橋田さんにとっても解散命令請求というのは大きい?」

元妻が高額献金 橋田達夫さん(65)
「大きいですよ。これは絶対クリアしないといけない。解散命令請求があってから次に本当に解散になっていきますのでね」

しかし、実名で被害を訴えた橋田さんの周辺ではこんなことも…

橋田さん
「ぼくが中にいた時、石がばーんと午後3時か4時ぐらいだったと思うんですけど。慌てて外に出たら、誰もいなくて」

あからさまな脅迫も受けた。

村瀬キャスター
「電話がかかってきて…」

橋田さん
「もしもしって言ったら『お前を殺す』と言ってね」

橋田さんは、警察に届け出たがこうした嫌がらせを誰が行ったかは明らかになっていない。

高知市内にある教団施設。橋田さんは去年から教団に対し、元妻が献金した約3000万円の返金を求めてきた。この日は、朝出勤してくる教団幹部を待っていた。

橋田さん
「対面で話をしたいと思っていることをお伝えしたい」

すると、一台の車が施設の前に停まった。高知の教団幹部が降りてきて、建物の中に入った。
これまで橋田さんは、弁護士を通じて教団と掛け合ってきたが、一切応じてもらえていない。

橋田さん
「お金はどうなったんです?これどうして閉めるんです?お金はどうなったんです?」

シャッターが一度は開いたものの、橋田さんを確認したとたんにシャッターが閉められた。しかし、歩道にはエンジンをかけたままの車が残されている。

すると、約10分後、建物の裏口から出てきた幹部が車のもとに戻ってきた。

橋田さん
「ちゃんと説明してほしいです。ちゃんと説明してほしいです。お金のことは説明してほしいです」