2種類の変異株「エリス」「ピロラ」 症状や感染力は?

小笠原キャスター:
そんな中で全国的に流行ってきているというものがあります。

EG.5(通称:エリス)」
オミクロン株の変異のXBB株から派生した「EG.5」、通称エリスと呼ばれているものです。
東京都のゲノム解析によると、▼7月31日~8月6日は20.1%だったものが、▼8月7日~8月13日は33.3%になり、8月14日~8月20日は36.0%だということです。※9月7日時点(東京都保健医療局)

今は9月第2週なので、おそらく5割近くまで増えているだろうというふうに見えると思います。

国立感染症研究所では、8月29日までに、59の国と地域の感染の報告を受けているということで、「今後その割合が上昇すると推定している」ということです。

さらに、もう一つ変異株があるんです。

BA.2.86(通称:ピロラ)
これもオミクロン株の新たな派生型なんですが、「BA.2.86」、通称:ピロラと呼ばれるものです。

世界15か国、104件検出されています。
イギリス36件、南アフリカ17件、デンマーク13件、フランス7件などです。※GISAID(9月12日時点)
東京都でも8月24日に、1例が確認されたということです。

「ピロラ」に関してはWHOも「監視下の変異株に指定」ということで、今後はどこまでどのように広がっていくのか、推移を見守っているという状況になっています。

では、症状や感染力などについてです。
国際医療福祉大学の松本哲哉主任教授に伺いました。

症状
「エリス」は、喉の痛み、けん怠感、熱(39℃超)、せき。これは従来のオミクロン株と一緒だということです。
「ピロラ」は、まだ報告がありません。

感染力
「エリス」は、従来のオミクロン株よりも強いということです。
「ピロラ」は、まだ報告がありません。

重症化
「エリス」は、入院患者・死者など高まった報告はまだないということです。
「ピロラ」は、まだ報告がありませんので、わからないという現状です。

この重症化に関してです。
厚生労働省は9月20日からワクチン接種を開始します。
●オミクロン株のXBB.1.5に対応しているものです。
●2023年度中は無償で受けられるというものです。

実際どうかというところを、国際医療福祉大学の松本哲哉主任教授に伺うと、「重症化予防としては期待できる。ただ変異の箇所が多いことを考えると、感染予防効果は低い可能性も」ということです。

なかなか先が見えない、新しいものが出始めてきているということですね。