実際の液状化被災地域でも、山本団地のように液状化対策が実行できる地域もあれば、地域の考えが合わずに地域全体での地盤工事が行われないケースもあります。

その難しさは、実際に液状化の被害を目の当たりにした上野さんも実感していました。

【山本団地地域再建を目指す会代表 上野浩明さん】「被災された方々それぞれ、家庭環境や家族構成が違うのはもちろんだが、一番の大きな違いは被害の大小、大きさ。その違いによって、事業を適用してもらっても個人負担があったので、なかなかそれが大きな壁で進展しない場面もあった」

長岡技術科学大学の大塚悟教授は、被災していない地域での地元住民の合意は相当難しいと話します。

【長岡技術科学大学 大塚悟教授】「なかなか住民の皆さんの合意をとって、皆さんで同じ方向を向いて、しかも経費の分担をするというのは、かなり厳しい問題がある」

大塚教授は未然防止ができない場合、家を建て替えるときに、ぜひ地盤の改良などの対策を検討してほしいとも話していました。

未然防止の必要性については、実際に液状化の被害に遭った上野さんも「行政も含め真剣に検討していかなければならない」と訴えています。


【山本団地地域再建を目指す会代表 上野浩明さん】「予防という意味では、今何も起きていない所にお金を投じて地盤を改良するというのが、非常にハードルの高い話だというのはすごく分かる。危険な盛り土に住んでいる方々を対象に、しっかりとその危険性を伝え、いかに予防・未然防止が重要かということを、声を大きくして伝えていくことが重要なのではないかと思っている」