「映画は大変」乗り気ではなかった平松監督の心を動かした花火

(映画監督・脚本家 平松恵美子さん)「みんなが声をかけてくれて『映画撮ったら?』と言われて『いや、映画は大変なんだ。お金がかかるよ、無理無理』とずっと言っていたんですけど」

厳しい映画制作の世界。当初はあまり、乗り気ではありませんでした。ところが…



(映画監督・脚本家 平松恵美子さん)「コロナ禍になったときに、同級生の一人が(倉敷市笹沖の)足高山から花火を上げたんですよね。その時に同級生にどうしてそういうことをしようと思ったの?って聞いたら、『子どもたちがいろんなイベントがコロナのせいで、全部無くなってしまって気の毒になって、何かしてあげたいと思った』と言うんですよ。自分のためじゃなくて街のためとか、この街に一緒に暮らしている人のためとか、文化のためとか。どこか倉敷らしい、きれいなほのぼのとした話でいいなと思ったんですよね」

(平松恵美子さん)「動いてくださ~い!」

「自閉症の家族のため花火を見せたい」高校生たちのひたむきな思いが軸となりストーリーは進んでいきます。

(平松恵美子さん)「自転車をこぎながら『いけんいけん、諦めたらいけん』そのまま行く感じにして」

そしてもうひとつ。画家を夢見るヒロインの葛藤が物語を彩ります。幼いころの憧れを追って街を出るのか。それとも慣れ親しんだこの街に残るのか。

(実際のシーン、ヒロイン・紅子)「もう決めましたから。就職してこの街に残ります」