無病息災や五穀豊穣などを祈願して、円陣を組んだ女性が優雅に舞う民俗芸能『ウスデーク』。
うるま市勝連では、新型コロナの影響でウスデークの奉納行事の中止が続いてきましたが、ことし4年振りに奉納されました。
久しぶりの奉納に向けビデオを見直すと、意外な再発見があったそうなんです。
振り付けは実は間違っていた?
世界遺産「勝連城跡」の北側に広がるうるま市勝連南風原。古くから、棒術や獅子舞など多くの伝統芸能が受け継がれている地域です。

この地域では女性による円陣舞踊『ウスデーク』が、かつて旧暦の八月十五夜に演舞されていました。
しかし戦後は戦没者の慰霊祭に合わせ、旧暦七月十六日に最も近い日曜日に奉納されるようになり、ことしは9月3日がその日にあたりました。
新型コロナの影響で中止が続き、ことし4年ぶりに例年通りに奉納されることになったウスデーク。婦人会や老人クラブの女性たちは、久しぶりの演舞に備え、2か月も前から連日練習に取り組みました。

しかし4年のブランクは大きく、歌の入り方と手の動きが合わず。どうやって踊っていたのか、保存会は先月、眠っていたVTRを見直しました。
すると、思わぬ発見がありましたー
南風原区伝統芸能保存会 上門ヨシ子ウスデーク部門会長
「今、これを確認している。手足の振りを3回いってるのか2回いってるのか、これによって終わり方が違ってくるから」

28年前の演舞を記録したVTRを念入りにチェックしたところ、ターンする前に手足を右に1回、左に1回振っていたのが、正しくは右に2回、左に1回振る振り付けだったことが分かったのです。
南風原区伝統芸能保存会 上門ヨシ子ウスデーク部門会長
「まあ、多分いいと思いますよ。実際、本番になると。みんな張り切るから。練習の時はむっさいかっさいするけど」
奉納当日、青年会がエイサー道ジュネーを演舞するなか15人の女性たちも集落内を練り歩きます。
沖縄戦で亡くなった戦没者を慰める慰霊祭が厳かに執り行われたあと、ウスデークの奉納が始まりました。
観覧した区民
「私は、初めて見たんですけど、凄い思ったより人も集まっていて良かったです」「オバーたちが頑張っているので、なくさないで後継者も増やして頑張ってくれればと」

初めてウスデークを演じた親田成子さん
「来年は心新たに、また先輩たちの教えを引き継ぎながら頑張ります」
地域の人たちが見守るなか、復活したウスデーク。ビデオで確認したかつての振り付けで、優雅に舞いました。
南風原区伝統芸能保存会 上門ヨシ子ウスデーク部門会長
「今日は出来ていましたよ。右往左往でやっていたビデオ見ながらやっていた、かえって本番はいいですね皆さん」
本来の振り付けとともに復活した、勝連南風原のウスデーク。地域では、演舞を覚えたいという希望者も現われ、若い世代への引継ぎが期待されます。