新潟県上越市に本社を置く『定年が70歳』のとある会社。
「様々な人が一緒に働くことは『特別なこと』ではない」と社長は語ります。

“誰もが働きやすいように”と工夫された環境と社長の思いを取材しました。

『新潟アパタイト』の柏崎工場に勤めている石黒裕さんは67歳。

【石黒裕さん】
「結構これが重くなるので、32セットを繰り返しやるのには力を使いますね」

バネの強度を高めるためのプレス機を使いこなせるのは、石黒さんを含めて工場に2人だけ。4年前に入社した石黒さんですが、慣れた手つきで作業をこなし、今や貴重な人材の一人です。

県内2つの工場で、車・カメラ・医療機器などに使われる“部品”の「検品・梱包」などを行っている『新潟アパタイト』の定年は70歳。

87人の従業員のうち、65歳以上が15人在籍しています。

石黒さんもそのうちの一人。
以前は不動産や建築関係の仕事をしていましたが、両親の介護のため、50代前半で前職を辞めました。
それからおよそ10年後、両親が亡くなり「もう一度働きたい」と思ったそうです。

【石黒裕さん】
「とりあえず、まだ体が動いたので、身近なところから、業種にこだわらずに働きたいと…」

しかし、そこで感じたのが『年齢の壁』でした。