日本の女性の平均寿命は87歳。
その年齢を超え、御年88歳にして世界を制覇した女子クロスカントリースキーヤーが富山県魚津市にいます。ギネス記録を更新する“鉄人おばあちゃん”に密着しました。

3月、満開の桜のもと花見を楽しむ人たちをよそに…黙々と走る女性の姿。
富山県魚津市で夫と暮らす世界最高齢の女子クロスカントリースキーヤー・佐伯克美さん、御年88歳です。

佐伯克美さん:「体力は絶対維持しようと思ったから、きょうは1日目」

クロスカントリースキー歴28年という佐伯さん。出場したマスターズの全国大会では、ほとんど優勝。88歳の米寿を迎えた2023年3月には、初めて世界の舞台に挑戦しました。その大会は、オーストリアで開かれたマスターズワールドカップ。長旅のハンデを難なく乗り越え、2種目で優勝を飾りました。桜並木を走っていたのは、帰国からわずか1週間後…。

佐伯克美さん「ヨーロッパから1週間前に帰ってきて、やっぱり長い旅で疲れます…。もうやった、“やり切った”っていう気持ちで実はふにぁーっとしてました。もうやることやった。でもね…私ってもしかしたらまだやれるかも。このままつぶれるわけにはいかない。こんなにいい天気のなかで、こんなに風景の中で走ることができる。私もまだ捨てたもんじゃないなって…」

常に未来を見据える佐伯さんの密着取材が始まりました。