商品をクルマに積み込んで買物客のすぐ近くまで来てくれる移動スーパーが、台風7号の被害が集中した鳥取市佐治町で奮闘を続けています。
道路の寸断などで一時は孤立状態となった被災地で移動スーパーが一層存在感を増しています。
ここは鳥取県八頭町のスーパー、天満屋ハピーズ郡家店、移動スーパーとくし丸の入江左和代さんが車に商品を積み込んでいます。

鳥取県職員を辞めてこの6月から移動スーパーを始めた異色の経歴を持つ入江さん、担当する地域のひとつが鳥取市佐治町でした。
8月の台風7号で鳥取市佐治町は川沿いの道路が流されるなど被害が集中しました。

天満屋ストアとくし丸 入江左和代さん
「佐治がまさかこんなことになるなんて思ってもみなくて、お客様大丈夫かなっていう心配はありました。」
鳥取市佐治町を回るのは毎週水曜日、台風翌日の先月16日こそ行くことはできませんでしたが、翌週からは迂回路も通って佐治を回りはじめました。
土嚢を積み上げて応急復旧し、片側交互通行となった国道482号をとくし丸が進みます。

鳥取市佐治町河本、車から流れる音楽を聴きつけて地区の人達が集まってきました。
生鮮食品、日用品とそれぞれが目当ての商品に手を延ばします。
目の前を流れる佐治川は台風の日には激流となって集落を飲み込みそうな勢いでした。
鳥取市佐治町河本地区の人達
「もう怖いだけ、どうしようかと思ったけど。」
「ここもだーっと、(川が)埋まっとりますが、石やあんなもんが。」

この地区では孤立が解消された後も2週間以上、買物に行くにはかなり大回りとなる迂回路を通る必要がありました。
すぐ近くまで来てくれる
移動スーパーは被災地の住民にとって何より心強い存在でした。
鳥取市佐治町河本地区の人達
「助かります、どこにも行かんでいいしな、ここから買い物ができるし。」
高齢者の買い物の楽しみを確保したいと移動スーパーを始めた入江さん、こういう時だからこそお客さんのところに行かなければと使命感に突き動かされました。

天満屋ストアとくし丸 入江左和代さん
「待って頂いている方、来て欲しいとおっしゃる声も聞こえましたので、そうおっしゃって頂いたので、ぜひ行かなければという思いで。私は幸い体力はあるみたいなので、大丈夫です。」
中山間地の買い物環境の確保策として注目される移動スーパーは災害時には一層存在意義を増し、きょうも奮闘を続けています。














