高温の坑道を抜け…さらなる峡谷の奥へ

第2のビューポイント、仙人谷に到着です。この日はあいにくの雨でしたが、目の前に迫る仙人谷と深い峡谷は圧巻です。

中間地点の黒部川第四発電所に到着。発電所の特徴と水力発電の仕組みについて学びます。

ここからはさらに珍しい乗り物に乗り込みます。

記者:「資材を運搬するために建設された輸送装置“インクライン”に乗り込んで、黒部峡谷のさらなる奥地へ進んでいきます」

インクラインと呼ばれるケーブルカーに乗り込み、傾斜34度の急こう配を20分かけてゆっくり上がっていきます。

高低差500メートルを上がると、ツアーの最後の乗り物「バス」に乗り込みます。

全長10.3キロの「黒部トンネル」を進んでいきます。途中、バスを一度降りて中を探検です。

記者:「バスを降りて、黒部トンネルの中にやってきました。中の気温はなんと6度、非常に肌寒く感じます。また、トンネルの要所要所には採掘した跡がまだ残っていて、工事をしていた様子を今でも楽しめます」

トンネルの途中にはこんな場所も…。

第3のビューポイントに到着です。

ツアーガイド:「はいどうぞ」

しかし、残念ながら雨。

晴れていれば剱岳を富山平野と反対側の方向から望む「裏剱(うらつるぎ)」などの絶景が堪能できます。

裏剱(晴れた日に撮影)

再びバスに乗り込み、薄暗く狭い一本道を進みます。そして、欅平を出発してからおよそ3時間。

記者:「黒部ダムに到着しました。きょうはあいにくの天気だったんですけど、とても気持ちがいいです!」

ツアーのゴールは、日本一の規模を誇る「黒部ダム」。

7年もの月日と延べ1000万人もの人手によって完成され、観光放水のときは、毎秒10トンから15トンもの水が、噴き出されるケタ違いの迫力を見ることができます。

一般開放へ向けて準備が進む中、県の担当者も期待を寄せています。

富山県地方創生局・観光振興室高田敏暁課長:「北陸新幹線の敦賀延伸が来年3月に決まって、北陸地域への注目度が高まっているチャンスな時期。大きな新たな観光ルートの誕生ということで富山県への注目度も高まっている。さらに高めるために黒部宇奈月キャニオンルートの魅力を県外にも発信していきたい」

「キャニオンルート」は、旅行商品として4種類のコースが設定されることになっています。

いずれも1泊2日を前提に、宇奈月駅を出発し宇奈月温泉もしくは立山室堂で宿泊。また、黒部ダムを出発し大町温泉郷もしくは宇奈月温泉で宿泊するコースとなっています。

実施期間は来年の6月30日から11月末までとなる予定でシーズン中は最大で8000人ほどの受け入れが可能だということです。

ツアーの販売は来年1月下旬から始まります。観光誘客の起爆剤として期待が高まっています。