ブラックボックスの回収をめぐり米ソは“一触即発”
当初から大きな謎とされたのが、大韓航空007便は、なぜ予定の航路を外れ、ソビエト領空を飛行したのか、ということでした。その解明のカギを握るとされたブラックボックス(航空機に搭載されている、操縦室内の音声と飛行データを記録する装置)を発見しようと、墜落地点に近いサハリン西側のモネロン島(海馬島)付近には、ソビエトとアメリカ両国の艦船や航空機が集まり、互いをけん制しました。
当時HBCは、船で現場海域に向かった乗客家族を取材。そのときの取材テープには、乗客家族が乗った船のすぐ上を、威圧するかのように飛び去るソビエトの航空機が写っています。
「国境の海は、日ソ両国の捜索合戦の色彩を強めております」。
現場上空をヘリで取材したHBC記者は、放送でこう報告しました。


