「アリオ仙台泉」の閉店について、地域経済に詳しい専門家は「泉中央の商圏の人口が減っていることが原因」と分析しています。

阿部航介記者:
「午前10時の開店を前に、閉店のお知らせが張り出されました。『31年間のご愛顧ありがとうございました』と書かれています」

9月2日、アリオ仙台泉の店頭には来年1月31日での閉店を知らせる告知が張り出されました。訪れた客からは閉店を惜しむ声が聞かれました。

客:
「普段からここで、食料品を買ったり食事をしたりとよく使う場所だったので悲しい」
「かなり困る人たちは多い。私もここで買っていたものを、どこで買おうかなと思って」

「アリオ仙台泉」は1992年、前身の「イトーヨーカドー仙台泉店」として地下鉄泉中央駅の開業に合わせオープン。2013年には「アリオ仙台泉」にリニューアルして30年以上に渡り近隣住民の生活を支えてきました。

地域経済に詳しい専門家は、閉店について「泉中央の商圏の人口減少が原因のひとつ」と指摘します。

七十七リサーチ&コンサルティング 田口庸友首席エコノミスト
「(泉区は)5つの区のうちで最も少子高齢化が進んでいて、商圏の人口も減少している」

2020年の国勢調査によりますと、仙台市の5つの区のうち、泉区の人口は青葉区と太白区に続き3番目。しかし、2015年との比較では、人口が減少しているのは、唯一、泉区だけです。

また、高齢化率や平均年齢でも5つの区のうちで泉区が最も高くなっています。

七十七リサーチ&コンサルティング 田口庸友首席エコノミスト
「50年前くらいから泉パークタウンなどといった、郊外に大規模な宅地を造成した。半世紀を経て代替わりしてきたが、それが上手く替わっていない。空き家も増えている」

また、地下鉄泉中央駅周辺の都市計画が「車社会」に対応していないことも買い物客の減少に繋がったのではないかと指摘します。

七十七リサーチ&コンサルティング 田口庸友首席エコノミスト:
「泉中央駅付近は道路が狭くて広い駐車場も十分ではない。車の利用者にとって利便性、車の回遊性が良くない。(泉中央は)地下鉄の駅が出来たことによる周辺の開発。あすと長町のように、もともと街づくりの理念があって車の利用を想定した街づくりをしているわけではない」

閉店後について、運営するセブン&アイ・ホールディングスは「ビルや土地は所有物ではないため今後のことは把握していない」とコメントしています。