発達障害があり気持ちや感情を言葉で表現することが難しい人たちの手助けとなるよう、発達障害のある当事者の高校生が考案した1冊のノート。
中を開いてみると、「楽しい・嬉しい」や「怒り」「悲しい」などの言葉にマルをつけたり、その理由を書く欄があります。答えやすい幾つかの質問に答えるだけの欄もあり、少しでも自分の気持ちを他の人に伝えることができるように工夫されています。
「きもちのナビ帳」と名付けられたこのノートを広めようと、考案者の津波夢乃さんがクラウドファンディングに挑戦し、みごと目標額を達成し成功を収めました。
高校生が考案した「きもちのナビ帳」へ込めた思い

高校3年生の津波夢乃さん。発達障害があり、気持ちや感情を言葉でうまく表現できません。
そんな津波さんが、コミュニケーションでのトラブルを抱えることを解消することを目的に、独自に考案したのがこちら。感情を表す言葉がついくも記された「きもちのナビ帳」です。
伝えたい気持ちをそこから選ぶことでコミュニケーションしやすくするものです。

津波さんは同じ悩みを持つ人たちのため寄付を集め、この「きもちのナビ帳」を返礼品として送るクラウドファンディングを企画。
ことし5月、RBCのニュース番組でノートに込めた津波さんの思いを放送したところ、コメント欄には発達障害の当事者や関係者から多くの反応が寄せられました。
クラウドファンディングのコメント欄
「不登校の小学4年男子の母です。ゆめのさんの言葉が息子と重なります。このノートは息子のような人たちに心強いツールになると思います。応援しています」
「まずお伝えしたいのはありがとうです。私の娘も同様で検査の結果、頭で思っていることの量に比べて、発する言葉数が少なく…。私たち親子からたくさんのありがとうが届きますように」

クラウドファンディングは目標とした30万円の倍以上の80万円の寄付を集め成功のもとに終了。
津波さんは先日、その報告にとRBCを訪ねてきてくれました。
津波夢乃さん(高校3年)
「びっくりとうれしい、両方あります。自分と同じ悩みを持ってる方がたくさんいた。自分がうれしかったのは、作ってくれてありがとうというコメントがあって、作ってよかったな」

大きな反響をうけ、津波さんは「きもちのナビ帳」を数量限定で販売することを決めました。
津波夢乃さん(高校3年)
「ネットショップで販売予定で、一番の目標はポップアップ。どこかで対面で販売できる機会を作って、使い方をレクチャーできる機会があればいいな」
「きもちのナビ帳」が当事者や関係者の助けになれば。そんな津波さんの温かい思いはページをめくる前から、伝わってきます。