世界三大映画祭のひとつイタリアのベネチア国際映画祭で4日、日本の濱口竜介監督の最新作「悪は存在しない」が公式上映されました。

記者
「濱口監督がレッドカーペットにやってきました。これから公式上映に臨みます」

イタリアで開催されているベネチア国際映画祭。最高賞「金獅子賞」を競うコンペティション部門に出品されている日本の濱口竜介監督の最新作「悪は存在しない」が公式上映されました。

「悪は存在しない」は、レジャー施設の建設が計画された自然豊かな村を舞台にした物語。

前作「ドライブ・マイ・カー」で音楽を担当した石橋英子さんのライブ用映像を制作する過程で、この映画も作られました。

およそ100分の公式上映のあと、客席からは長いスタンディングオベーションとなりました。

映画を見た人
「信じられないほどパワフルな映画で、私の中に深く浸透しました」
「競争は厳しいけど、賞を勝ち取るかもしれませんね。そう願っています」

公式上映後、JNNの単独インタビューに応じた濱口監督は…。

濱口竜介監督
「ほかの国とは違う平熱の高さみたいなものをすごく感じます。こんなにあったかい反応をいただけると想像していなかったので、本当にありがたいことだなと。そういう映画祭なんだなと思っています」

映画では、村への理解が足りない開発業者と都会の論理が入ってくることに抵抗する地元住民の姿が描かれています。

これは、濱口監督が映像制作のため行った取材の中で実際に聞いた話が核になっているといいます。

濱口竜介監督
「(レジャー施設の)説明会があって、そこに出られた方から話を聞いて。自然をどこかナメていると、きっとしっぺ返しをくらうだろうなということは、この映画の中でも反映されている考え方なのかなと」

それでも、「悪は存在しない」というタイトルにした理由は…。

濱口竜介監督
「映画も『悪は存在しない』という風に見た人が思うようにもなっていないと思います。じゃあなんで、こんなタイトルかっていうと、このタイトルと作品のありようみたいなものの、、緊張関係みたいなものを観客に楽しんでほしいっていう、その一点です」

世界三大映画祭のうち、濱口監督はカンヌ映画祭とベルリン映画祭で受賞していて、残るベネチアでも受賞の期待が高まっています。

受賞作品は、現地時間の9日に発表されます。