金平キャスター
「見渡す限り広大な敷地を占めていて、ここに弾薬庫、それから射撃訓練場の建設が、着々と進んでいます。何気なくミキサー車をみていたら、若い女性が運転していた」

金平キャスター
「宮古島は自衛隊の配備で意見が分かれているじゃないですか?島のためにはこういうのやった方がいい?」

女性ドライバー
「仕方がないことだと思います」

ーー前はどんな仕事してたんですか?
「建設会社の事務」

ーー事務よりこっちの方がいい?
「はい、現場に出てる方が楽しい」

ーー宮古島全体の景気とか生活はどうですか? 
「かなり落ちてると思います」

写真で「再現」し歴史を絵巻物のように紡ぐ

この夏、台風が宮古島を襲った。宮古島の自衛隊部隊は、8月4日の夜、台風の警報が解除されると同時に、住民らが反対していた戦闘服姿での基地の外での「夜間行軍」を強行した。

住民が撮影した動画
「戦闘服で歩きまわるな!」「島は戦場じゃないぞ!」

この10年、真生さんが毎年続けている「大琉球写真絵巻」。独立国だった琉球の時代からの歴史上の出来事を、敢えて「創作写真」というスタイルをとって、今現在の人に演じてもらう。

真生さんはいわば写真の監督だ。「再現」された写真を、時系列的に絵巻物のようにつないで、庶民の歴史を紡いでいこうという、壮大な試みだ。

金平キャスター
「僕は会場で、真生さんが、ある写真を説明しながら、怒りのあまり涙を流すのをたまたまみていて、心が震えた」

4年前、アメリカ海兵隊の海軍兵による沖縄女性殺害事件が起きた。アメリカ軍は、女性につきまとっていた兵士の外出禁止措置をとった。それが解除されると、兵士はすぐに女性の自宅に赴き、子どもの目の前で女性を刺し殺し、その場で自殺した。女性は、身辺保護を、軍や警察にさんざん訴えていた。

石川真生さん
「なんで沖縄のサイドがもっと強く申し入れることができなかったのかよ!ワジった(=怒った)わけよ、私。こう見えて私は、どう見えているかわからんけど、写真家です。そしたら写真で表現するしかないんだよ。したらね、この場面しか浮かばなかったよ。要するに今にも殺されるその寸前の写真。これはね、私はね随分悩んだよ」