猛烈な暑さが続き心配となる渇水の被害。
阿賀野川の下流に架かる大阿賀橋のたもとにある田んぼでは、葉っぱまで茶色く枯れ、倒れそうな稲が見られます。
新潟市北区の田んぼでは、農業用水に海水が混じった可能性があるとみられています。

【被害に見舞われた農家の一人 渡辺豊さん】
「収穫はもうこれはダメですね…。どういうふうにしたら一番いいか」
連日の猛暑とあわせ、新潟市中央区や阿賀町津川などでは降水量ゼロの日が続いています。

そのため、地元の人やJA新潟市では、川からポンプで引いている水が「雨不足で阿賀野川の水位が下がり、海水が逆流した」のが原因とみています。
そこで、新潟大学農学部の三ツ井敏明教授が25日に現地調査に入りました。
【新潟大学農学部 三ツ井敏明教授】
「状況は非常に厳しいですね。根から茶色くなっていて、本当に枯れてしまったということになると思います。舐めたら“塩”が来ているので『塩害』で間違いない」

枯れた稲と土とを採取し、含まれている塩分量などを検査したところ、一般的な田んぼと比べて7倍もの塩分が、土から検出されたということです。
【農家 渡辺豊さん】
「もみが成長してなくて、全然膨らみが出ないんです。一番成長する時点で塩分の入った水が入って…」
無事だった稲と比べると、その差は一目瞭然。
「塩」の影響なのかは、コメを食べてみると分かります。
【記者リポート】
「しょっぱいですね…」

枯れた稲は、全て処分するしかないそうです。
25日の新潟県内も阿賀町津川で38.3℃など全国トップクラスの暑さとなり、午後5時までに観測した降水量を調べてみても、44の観測地点のうち42地点で雨が降りませんでした。

25日には阿賀野川河川事務所でも阿賀野川で塩水遡上調査を行いました。
結果は後日ホームページで公表する予定だということです。