25日朝、福島県いわき市の漁港では、処理水の海洋放出後初めての競りが行われ、風評を懸念する漁業関係者から「情報の透明性」を求める声が聞かれました。
午前6時半すぎ。いわき市の沼ノ内漁港には処理水放出後、初めて水揚げされたヒラメやスズキなどの常磐ものが運び込まれました。
井上和樹アナウンサー「処理水放出後初めての競りが始まりました。仲買人の威勢の良い声が響く中影響は出ているのでしょうか」
競りに訪れた仲買人の猪腰洋治さん。猪腰さんによりますと、25日は水揚げが少なかったため、価格は普段より2割ほど高く処理水の影響はまだ見られないということです。
懸念するのは風評被害。猪腰さんは、「情報の透明性」を国と東電に求めています。
仲買人・猪腰洋治さん「(放出は)昨日の今日だからこれから先は分からない。だからモニタリングや水質検査でその数字が変わりなく大丈夫だときちんとした形でデータを公表していただきたい」
井上アナ「多くの海産物が並ぶいわき市のら・ら・ミュウです。お店の方によるとお昼のこの時間帯が一番混む時間帯だということなんですが、人はまばらとなっています。」
干物や珍味を販売するこちらの店では放出から一夜が経ち、客足に変化を感じると言います。
海道屋・佐川亜斗夢さん「(お客さんの数は)やっぱり今日は少なく感じる。不安に感じられる方が多いのかなと思う。」
県外からの観光客は、処理水の放出についてどう感じているのでしょうか。
東京から来た人「(福島の魚は)美味しい。イカとメヒカリを食べた」
Q.処理水放出の影響はどう見ているか?「全く気にしていない。」
東京から来た人「(処理水放出を)ニュースでは見たが検査をしっかりしてくれるからそのデータを見て食べていこうと思う」
海道屋・佐川亜斗夢さん「とにかく味わっていただいて、福島・いわきのものはおいしい安全なんだということだけでも分かってもらえればと思う」
風評被害を起こさないために、処理水放出後は今まで以上に食の安全性の発信が求められます。