ちょっとひととき…懐かしい “昭和の長崎”を感じてみてください。
NBCライブラリーに残る 昭和40年代の貴重な映像の一コマです。

長かった夏休みも、もうすぐ終わろうとしています。
昭和の長崎の子どもたちにとって、夏の思い出の場所として思い浮かぶのが「ねずみ島」(皇后島)です。
明治35年(1902年)に長崎游泳協会が設立されてから70年にわたって、長崎の子どもたちは夏休みにねずみ島で泳ぎを覚え、心身を鍛えるのが定番でした。

そのねずみ島が、昭和47年(1972年)8月をもって閉鎖されることになりました。
高度成長期に入って水質が悪化したことに加え、造船業の発展によって資材置き場が必要となり、ねずみ島周辺も埋め立てられることになったのです。

ねずみ島の水泳教室の伝統行事だったのが「大名行列」です。
江戸時代の参勤交代の行列が、難所として名高い大井川を渡る様子を再現したもので、
水泳教室に参加した子どもたちの成果発表として毎年行われました。

最後のねずみ島での「大名行列」は、総勢300人もの参加者でした。

殿様役は当時の諸谷長崎市長が、お姫様役は旧新興善小学校1年の石原百合子さんがそれぞれ務めました。

殿様やお姫様が乗った輿の行列が勇壮に海に入り、立ち泳ぎで支えるさまは圧巻です。

「祈一路平安」の水書や踏水術、剣道型などの古式泳法も次々に披露されました。

8,000人もの見物人が「ねずみ島・大名行列」のフィナーレを目に焼き付け、70年にわたったねずみ島の歴史に別れを告げました。

この「大名行列」は、昭和48年から長崎市市民総合プールに会場を変えて行われています。
コロナ禍で中止が続いていたので、今年は4年ぶりの開催となりました。

放送局が撮影した 長崎の映像を配信している“ユウガク”より