県内の新型コロナの感染者は5週連続で増加し感染は拡大しています。青森県感染症対策コーディネーターの大西基喜医師は、現在は感染者の全数把握をしていないため単純な比較はできないとしたうえで、現在の第9波はこれまでの流行時を上回っている可能性を指摘しています。また、感染力が強い新たな変異株EG.5 通称エリスが県内でも確認されていて注意を呼びかけています。

青森市の南内科循環器科医院です。7月下旬から発熱外来の患者が増え始め、きょう1日で受診した10人のうち7人の新型コロナ感染が確認されました。

※南内科循環器科医院 南收 院長
「症状の軽い方が多い、ちょっと熱がある、ちょっと咳が出るとかちょっと鼻水が出るとか。(検査すると)六割七割の確率で陽性になっています。家族の中に一人でも感染していると家族全員が感染する状況です。どの年代にも満遍なく流行している状況」

県によりますと、新型コロナの感染者数は8月20日までの1週間で県内60の医療期間から1556人の報告があり、前週から500人以上多く5週連続の増加となっています。1医療機関あたりの患者数は県全体が25.93人で、新型コロナが感染症法上の位置づけが5類へ移行する前のデーターをもとにした参考値では第8波だった1月上旬の18.77人を超えています。保健所管内別の患者数は五所川原が最も多く32人、次いで上十三の31.22人などとなっています。

県感染症対策コーディネーターの大西基喜医師は現在は感染者の全数把握をしていないため単純な比較はできませんが、現在の第9波はこれまでの流行を上回っている可能性を指摘します。

※青森県感染症対策コーディネーター 大西基喜 医師
「むしろ去年の大きな時よりも感染者数は増えているんじゃないかと。軽い方は増えているが、重症者や入院がそんなに極端に増えていないところは大きな救い」

この流行の要因の一つとして大西医師が指摘しているのが感染力が強い新たな変異株EG.5、通称エリスです。すでに県内でも確認されていて、8月11日時点で感染者全体の3分の1にのぼっているといいます。

※大西基喜 医師
「(新たな変異株エリスは)増えていく感じはあります。直近ではだいたい3分の1くらい変わってきている。2分の1、あるいは100パーセントに近くなることも十分あると思いますので今後は主流になっていくのかなと」

東北の新型コロナ感染状況では、1医療機関あたりの感染者数は岩手が最も多く30.42人、次いで秋田、青森、福島、宮城、山形となっていて、すべての県で前週を上回っています。大西医師は消毒や換気など基本的な感染対策に加えて熱中症などで免疫力を下げないようにしてほしいと呼びかけています。