水産業などへの風評被害が懸念される福島第一原発の処理水について東京電力は24日午後、海洋放出を開始しました。
東京電力が海洋放出を開始したのは、福島第一原発に溜まり続けるトリチウムなどの放射性物質を含む処理水です。遠隔操作室でポンプを起動させプールで海水と混ぜあわせた後、午後1時3分、およそ1キロの沖合にある海底トンネルから放出しました。

この処理水は、地下水や雨水が原子炉建屋の中に入り込むなどして溜まった汚染水を多核種除去設備、ALPS(アルプス)で浄化し、大量の海水で100倍以上に薄めたもので、検査の結果、基準以下に薄められていたことが確認されたということです。
福島第一原発には、処理水が134万トンあり、保管できる容量の98%がすでに使われています。今回はこのうちタンク30基分にあたるおよそ3万1200トンの処理水を17日間かけて放出する予定です。
処理水の放出完了は2041年から2051年頃と見込まれていて県内の漁業者などからは風評被害を懸念する声が上がっています。