事故を起こした福島第一原発の処理水放出に対し、宮城県内の漁業関係者からは不安や戸惑いの声が上がっています。一方、飲食店からは「絶対に安全だということをアピールしてほしい」との声が聞かれました。各地の反応です。

亘理町の荒浜漁港です。

漁師:
「東京とか知り合いいるけど、食べづらくなるって(言われた)。取ってる方としては食べてもらいたい」
「(もともと)地元の魚の消費が悪いね。それに比べてまた、処理水で出してるほうの魚もまた安くなったら大変。風評被害の基準がわからない、我々は」

県漁協仙南支所 佐伯智宏支所長:
「もちろん流すの反対というのは変わらない。実際に放射能の影響がなくてもあるんじゃないのって思われて、魚を買わない不買みたいなのが出てくるんじゃないかな」

亘理町の鳥の海ふれあい市場では。

買い物客:
「(処理水の放出後、買わなくなることは)それは考えてないです。あるものは手に取ります」
「地物で美味しいので、安全であることが第一だと思うけど、その辺はちゃんと確認して表示してもらえるんだろうと思っているので」

南三陸町の志津川魚市場です。

漁師:
「できたら(処理水を)流してもらいたくはない」
買受人:
「コロナで3年間大変苦労しました。ようやく普通に人が動いて物流も順調に動き始めたかなという折に、また新たな海洋放出という大きな壁が感じられて」

石巻市のすし店では。

富喜寿司 大場英雄さん:
「何となくあおられて皆さん心配になるかもしれない。絶対に大丈夫、安全なんだよということをアピールしてもらいたいですよね。水産漁業環境もいろいろ停滞気味なところに、そういう(処理水放出)のは心配」

女川町の尾浦漁港。

県漁協ホタテ部会 大坂善治部会長:
「処理水が溜まる一方でどこにも持っていく場所がない。個人的にはそれは認めても仕方がないかなと。ただそれによって(風評)被害を漁業者が受けるのは受け入れがたい」

そして、処理水の海洋放出が始まったことをうけ、中国の税関は日本の水産物の輸入を24日から全面禁止すると発表しました。今後、県内の水産業への影響が懸念されます。