■第19回世界陸上競技選手権大会 第6日(日本時間24日、ハンガリー・ブダペスト)

男子35km競歩が行われ、川野将虎(24、旭化成)が2時間25分12秒の今季最高タイムでゴールし、銅メダルを獲得。今大会日本人メダル第1号となった。前回大会では優勝まであと1秒と惜しくも銀メダルで悔し涙を流し、今回は終盤まで優勝争いを繰り広げるも、惜しくも届かなかった。競歩は日本勢として5大会連続のメダル獲得、川野は2大会連続のメダルとなった。

日本からは川野、野田明宏(27、自衛隊体育学校)、丸尾知司(31、愛知製鋼)の3選手が出場。野田は6位入賞、丸尾は13位。優勝はスペインのA.マルティン(29)で20km競歩と2冠の快挙を達成した。

前回大会からこれまで実施されていた50km競歩が35kmへ距離を変更して行われ、今大会が2回目。1周1kmのコースを1周したのち、1周2kmのコースを17周する。レースはスタート前、気温が26度と暑さとの戦いを強いられた。

序盤は今季世界最高の中国の賀相紅(25)、前回大会金メダルのM.スタノ(31、イタリア)が先頭を引っ張る中、日本勢は日本記録保持者の野田、前回大会銀の川野がついていき、丸尾が2mほど後方にいたが徐々に先頭集団へ。

沿道では男子20km競歩に出場した山西利和(27、愛知製鋼)、高橋英輝(30、富士通)が声をかける場面も。10km通過時点では日本3選手は15人ほどの先頭集団の後方でしっかりとついていった。

川野は保冷剤を手にし、丸尾はキャップに氷を入れるなどで身体を冷やしながらコンディションをキープ。15kmではA.キニオン(30、フランス)が集団と10秒以上の差をつけて先頭に立ち、日本3選手を含む2位集団が追いかける展開に。

キニオンは集団との差を徐々に広げていくが、ロス・オブ・コンタクト(常に地面に足がついてなくてはならない)の警告を2回受け、あと1枚でペナルティゾーンに。

残り10kmを過ぎ、野田、川野ら2位集団とキニオンの差が徐々に詰まり、丸尾が集団から30秒以上遅れてしまう。M.スタノも少し後方に。残り3周(6km)を過ぎたあたりでスペインのA.マルティン(29)と川野が集団の前へ。キニオンは3回目の警告となり、優勝争いから脱落。残り5kmでマルティンがトップを走り、川野とB.D.ピンタード(28、エクアドル)が4秒差の2番手でラストは3人による勝負に。

残り4kmで川野らが先頭に追いつき、ピンタードが少し前を行く。あと2km付近で川野は警告を受けてた影響か、少し遅れてしまい先頭のマルティンと5秒差に。川野は帽子を脱いで最後の力を振り絞ったが、突き放されてしまい惜しくも3位でフィニッシュ。

【男子35km競歩結果】
金 A.マルティン(29、スペイン)2時間24分30 
銀 B.D.ピンタード(28、エクアドル)2時間24分34
銅 川野将虎 2時間25分12 SB
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6位 野田明宏 2時間25分50
13位 丸尾知司 2時間29分52