男子100mは小池、栁田も標準記録突破なるか
サニブラウンが準決勝3組を1位通過。10秒04(+0.8)と参加標準記録を破り、2位の伊藤孝太郎(東京ガスエコモ)に0.24秒の大差をつけた。ヤンマースタジアム長居10回目の日本人10秒10未満のパフォーマンスでもあった。「余裕はありましたが、反応が遅すぎました。もう少し修正しないと」
ピストル音が鳴ってから動き出すまでのリアクションタイムがデータとして出るが、サニブラウンは0.159秒。準決勝を走った23人の中で3番目に遅かった。
だが、反応が遅かっただけで出遅れたわけではない。比較的大きなストライドで出るためゆったりしているようには見えるが、これは昨年優勝の多田修平(25・住友電工)や、日本記録保持者の山縣亮太(30・セイコー)らが素早いピッチで飛び出すのを見慣れているせいもある。準決勝のサニブラウンは、20~30mでははっきりとリードしていた。
19年に9秒97の日本新(当時)を出したサニブラウン。決勝では3年ぶりの9秒台も期待してしまうが「タイムに固執しないで走りをどんどん引き上げて、小さなミスをなくせばタイムは出る」と、自身の目指す走りに集中する。その結果、3位以内に入って世界陸上代表に内定するのは間違いないだろう。
準決勝の他の組はどうだったのか。
1組は小池祐貴(27・住友電工)が10秒13(+0.5)で1位通過。スタートでリードした坂井隆一郎(24・大阪ガス)を、後半で抜き去ったが「最後に伸びきらなかった部分があった」という。実際、終盤では坂井との差は開いていない。
「やりたいことは出せたと思いますが、タイムがついてきませんでした。気持ちの部分ですかね。比較的集中できたと思いますが、準決勝ベースの気持ちの上がり方だったかもしれません。決勝は勝手に上がるので大丈夫です」

2組1位通過は栁田大輝(18・東洋大1年)で10秒16(±0)。予選はスタートで出遅れ、東田旺洋(26・栃木スポ協)に大きく先行され、後半で追い上げたが2位通過になった。しかし準決勝は再度東田と同じ組になり、今度はスタートから先行できた。サニブラウンと同様、大きなストライドで速くは見えないが、序盤から前に出ていた。
「予選は飲み込まれてしまったのか、自分らしいスタートができませんでした。準決勝ではそこだけに集中しました。修正できて良かったです。準決勝だけの選手と思われないよう、決勝で10秒05を出します」
決勝で風など条件に恵まれれば、小池と栁田にも標準記録を破るチャンスがある。