値上がりが止まらない都心の新築マンションについてです。

土地代や人件費、建築資材の高騰がマンション価格に転嫁

井上貴博キャスター:
民間の調査会社・不動産経済研究所によると、7月の首都圏の新築マンション平均価格は2022年に比べ55.8%値上がりし、1戸当たり9940万円。5か月連続の上昇で、7月としては過去最高となりました。

東京オリンピックの選手村跡地に建設されているHARUMI FLAGのタワー棟や、港区の高級物件が価格を押し上げました。

また、東京23区の新築マンションの平均価格は1億3340万円。2022年より84.8%上昇しています。

今後の価格について、不動産経済研究所は「土地代や人件費が値上がりしていることや、円安の進行で建築資材が高騰しているため、高い水準が続くだろう」と分析しています。

海外から見ると日本の物件はお買い得ということで、日本の物件を買う海外の人が増えているのも一つ要因にあるようですが、マンションの価格高騰が止まりません。

7月の新築分譲マンションの平均価格は、東京23区に絞ってみると1億円をゆうに超え、1億3000万円ほど。埼玉で4500万円ほど、神奈川で5600万円ほど、千葉で4400万円ほど。この1都3県の平均価格をとると9940万円で、1億円にもう届きそうです。

東京オリンピックとパラリンピックが過ぎれば落ち着くなんて見方もされていましたが、この平均価格は右肩上がりになっています。2019年だと7600万円ほどで、まだ7000万円台だったんですね。

それが上がってきて、2022年から23年に、くっとまた上がりました。今は1億3000万円弱で、調査開始以来、過去最高値になっているということです。

新築マンションを買うタイミングについて、東京カンテイ市場調査部の主任研究員・高橋雅之さんは「今後マンション価格が下がる予兆がないので、購入を検討しているなら早めのほうが良い」と話しています。高いけれども、先々を見ると、今がまだ一番安い水準といえるのかもしれないということです。

となりますと、売却のタイミングについてはその逆です。価格が上がっていく可能性が高いと考えれば、今手放すよりも、少し様子を見たほうがいいのではないか。

たとえば10年前に購入した新築マンションの売却価格が当時の購入価格より上がっていると、これがどんどん上がっていくことも考えられますので、少し様子を見るのもいいのではということでした。

その要因は物価高、人件費の高騰、建築資材コストが上がっていることです。それに伴ってマンション価格に転嫁され、割高になっていくということがベースにあります。

新築マンションの値段が上がると、周辺の中古マンション市場も全体的に高騰する。ひいては、賃貸マンションの家賃も上がるというサイクルになっている。しかも、この先が今は見えないという状況なわけです。