ハワイのマウイ島で8日未明に発生した山火事では死者は55人に増えました。なぜ、これほどまで被害が広がっているのでしょうか。

ハワイ州 ジョシュ・グリーン知事
「我々が目にしているのは、ハワイで最悪ともいえる自然災害です」

8日未明に発生したハワイ・マウイ島の山火事。犠牲者は55人に増え、2018年にカリフォルニア州で85人が死亡したアメリカ史上最悪の山火事に次ぐ被害となっています。

家族4人でマウイ島を訪れているという日本人観光客は。

日本人観光客
「ホテルの部屋にパスポートも荷物も全部残っている状況で」

あす帰国予定でしたが、パスポートが置いてあるホテルに戻れていません。総領事館とやり取りし、来週には帰れるよう手続きを進めているということです。

日本人観光客
「ラハイナの町の被害があまりに大きそうなので、こんなことで何か言っていても、元気でいるから不幸中の幸いだと思う」

今回の被害拡大の理由として指摘されているのが「乾いた空気」と「強風」。

これは空気の乾燥レベルを示すデータですが、火災発生当時、マウイ島は周辺よりも色が濃くなっていて、より乾燥していたことが分かります。

また、この時、南の海上を通過していたハリケーンの影響で、ラハイナでは最大瞬間風速27メートルの強風が発生。勢いを増した炎が風下の町を襲ったと指摘されています。

強風はヘリコプターによる空からの消火活動などの初動を遅らせ、まだ鎮火には至っていません。

現地警察は、連絡が取れない人が1000人にのぼると推測、被害はさらに拡大するおそれがあります。