おいしい蜂蜜を選ぶコンテストで、宮城県富谷市のNPO法人が出品した「とみやはちみつ」が最優秀賞に選ばれました。この蜂蜜は、ミツバチにも人間にも優しい、自然豊かな場所でつくられていました。
今年、最もおいしい蜂蜜に選ばれたのが富谷市の「とみやはちみつ」です。「第6回ハニー・オブ・ザ・イヤー」の日本ミツバチ部門で審査員の試食投票により最優秀賞を受賞しました。

SCR代表 村上幸枝さん:
「びっくりしました。まさか最優秀になるとは本当に思っていなかったですね」

こう受賞の喜びを語るのがNPO法人SCRの代表村上幸枝さんです。SCRでは5年前から富谷市西成田のおよそ50アールの休耕田を借りて「みつばちの里」を整備し、養蜂に取り組んできました。一角にある養蜂場には、日本ミツバチと西洋ミツバチの巣箱あわせて6つが設けられていて、日本一の評価を受けたのは、日本ミツバチ部門でした。
SCR代表 村上幸枝さん:
「これが日本ミツバチです。日本ミツバチは西洋ミツバチに比べて、もともと日本に住んでいるハチなので、自然には強くて。ただ性格的には、すごく敏感なミツバチ」

西洋ミツバチは1年の間に何度も蜜を取るタイミングがありますが、日本ミツバチは1度しかなく、取れる量も少ないといいます。また、日本ミツバチはさまざまな種類の花粉を運ぶため、蜜の味に違いが生まれるそうです。
小野寺穂実記者:
「まずは香りを楽しんでみます。とても甘い香りがします。いただきます。蜂蜜らしい優しい甘みも口いっぱいに広がるんですが、酸味も感じます」

おいしい蜂蜜をつくるミツバチがいる環境は、自然豊かな場所である証だと村上さんはいいます。
SCR代表 村上幸枝さん:
「ミツバチが住む環境が、人にとってもいい環境だということで、そこを目指して、ミツバチにも人にも優しいまちづくりができたらいいなと思います」

SCRでは、およそ20人のボランティアとともにミツバチと人間の共生を目指して、ミツバチが蜜をとる花や野菜の手入れをしたり、農地を整備したりしています。
ボランティア:
「自然豊かな大地の恵みを感じながら、作業して、すごく気持ちいい汗をかいていますね」
「私は花を植える担当です。花を育てているようで、周りの環境をつくっているというのがいちばんなのかな」

富谷市は、市役所屋上で養蜂を行なうなどはちみつの特産品化を進めています。村上さんたちもミツバチを通じて、身近な環境を充実させるなどし、市の目指す町づくりに貢献する考えです。

SCR代表 村上幸枝さん:
「みんなで一緒にミツバチと人が共生するまちになって、おいしい蜂蜜も出来て、ちょっと自慢できたらいいなと思います。」
村上さんたちの「みつばちの里」では今シーズンも順調に養蜂作業が進んでいて8月末に、地元小学生が蜜を採取する予定だということです。