性別など多様性に配慮して学校の制服を見直そうという動きが広がっていますが、高松市が見直しを進めているのが小中学校の決まり=「校則」です。中間報告がまとめられました。

(中学生)
「肩より下の髪はなぜ結ばないといけないか、なぜそんな校則を作ったのか教えてほしい」
「夏服の制服の上にカーディガンを着たらだめ、というのがおかしいと思います」

(中学生の保護者)
「白いワイシャツの時は白いTシャツ、白いセーラー服の時は白、黒いセーラー服の時は中も黒、みたいな」
「女の子が髪を垂らしたらいけない、とか勉強にどういった支障があるのかなと」

2021年度の、高松市のある公立中学校の校則です。この学校では髪が長い生徒は、耳より下で束ねるよう指定されています。しかし髪を耳より上で結ぶと校則違反となってしまいます。理由は記載されていません。

不可解な校則への疑問の声はいつの時代も上がっていましたが、高松市では去年11月、市を挙げて校則の見直しに着手しました。障害や性的指向、文化的背景など今の社会を取り巻く問題を校則に取り入れたいと考えたためです。

(高松市教育委員会少年育成センター 米谷利彦 所長)
「学校生活や生徒指導面でも、落ち着いた学校生活を過ごすことに寄与することがそもそもの学校生活の決まりの目的ではないかと考えております」

高松市がまとめた校則見直しの中間報告では、多くの学校で児童・生徒自らが見直し作業にかかわっていることなどが分かりました。いくつかの学校では既に作業を終えていて、例えば服装の色について「男子は黒」「女子は赤」といった指定を解除しました。また禁止される理由が分からないとして、くるぶし丈のソックスを許可する校則も生まれました。

(高松市教育委員会少年育成センター 米谷利彦所長)
「児童生徒、保護者らと学校が話し合う機会を確保しながら、それぞれの学校で見直しが進んで、子どもたちが心の負担なく健全な学校生活が過ごせるようにと考えている」

教師向けの生徒指導用の文書の見直しも始めた高松市。学校内の環境整備がようやく新しい時代に向かい始めています。