アイゴを商品化できないかと動き出す人たちも

たくさんとれてしまうアイゴを商品にできないかという模索も始まっています。

魚市場では、定置網漁で生きたままとれたアイゴを氷水で弱らせ、毒のあるとげを切り落とし、魚市場直営の食堂で刺身として出しています。見た目は鯛に似た白身で食感が良く、クセのない味が特徴。食べたお客さんからも、歯ごたえがあり甘くておいしいと評判です。

漁師の山本さんは、とれたアイゴをすぐに氷締めして、伊良湖港から100km以上離れた名古屋市中村区の「やきとり 陣」へ持ち込みました。

(漁師・山本啓統さん)
「朝とれたアイゴなんですけど、料理していただけたら…」

渥美半島でよく釣りをしていた店長がアイゴのことを知り、店の商品にできないかと名乗りをあげて、試食会が実現しました。

氷締めしたにもかかわらず、捌いてみると死んだアイゴの内臓からは刺激臭がします。今回は、におい消しにショウガや大葉、ミョウガなどの薬味を使った料理を3品作って、試食することになりました。

山本さんも、調理中のアイゴを見ているうちにおいしそうだと期待を膨らませます。

「全然店で出せる」厄介者の商品化に光が…!?

できあがったのは、塩焼きと煮つけ、大分の郷土料理「りゅうきゅう」です。さっそく試食します。

(漁師・山本啓統さん)
「こんなににおいがないとは思わなかった。多少クセがあるかと思ったが、全然なくておいしいです」

「やきとり 陣」の店長も、料理してみて店で問題なく出せる料理だと絶賛。くさいと言っている人にこそ食べてほしいと太鼓判を押しました。

(漁師・山本啓統さん)
「とてもうれしい話ですね。今まで何も使う道がないと思っていたので、本当に使っていただけたらうれしい」

山本さんも、これまで考えてもみなかったアイゴの販売が現実味を帯び、前向きになれました。今後は、網にかかるアイゴを見る目が、変わってくるかもしれません。

CBCテレビ「チャント!」7月31日放送より