物価高などで、資金難に苦しむ国立科学博物館がクラウドファンディングを開始しました。
東京・上野の国立科学博物館。動植物の標本などの文化財およそ500万点が保管されています。その貴重な文化財の多くは、痛まないよう湿度や温度を一定に保つことのできる「収蔵庫」で慎重に管理されています。
国立科学博物館 動物研究部 川田伸一郎 研究主幹
「スペースが圧迫されてきたので、こういうのも棚に入れざるを得なくなってきてるような状況」
しかし、文化財は毎年およそ8万点ずつ増加していっていることもあり、収蔵スペースが足りなくなっているのです。すでに動物の骨などは一部、やむなく廊下に置かれています。
国立科学博物館 動物研究部 川田伸一郎 研究主幹
「(標本を)いま手放す人も多いので、その中で割と重要な種が含まれていたりする。ですからなんとか受け入れて、保管しておかなければならない」
スペース確保のために現在新たな収蔵庫を建設していますが、建築資材などが高騰し、費用は当初の予定からおよそ2億円増加。さらに、光熱費もおととしの2倍に高騰しているため、運営が厳しくなっています。
国立科学博物館 篠田謙一 館長
「複数の打撃が重なり、自助努力や国からの補助だけでは到底追いつかず、しわ寄せは当館の事業研究費等にも及んでいます」
こうした状況を受けきょう始まったのが、インターネットを介して不特定多数の人々から資金を募るクラウドファンディングです。
国立科学博物館 篠田謙一 館長
「私たちが集める自然史・科学技術史の標本は、未来の日本人全体のための宝である。国民の皆さんにこういう博物館の活動を知っていただき、参画の道があるんだという事を知っていただく」
1億円を目標とし、11月5日まで募集します。
寄付者への返礼品としては、標本のレプリカや収蔵庫のツアーなど40以上のコースを予定していて、標本資料の重要性を知ってもらう機会にもしていきたいとしています。
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