専門家が指摘したのは、新たな盛り土崩落の要因でした。静岡県熱海市伊豆山で起きた土石流の原因究明に向けて、6月7日、起点にあった盛り土付近で県警と専門家が現地調査をしました。
<和田啓記者>
「いま、専門家と捜査員たちが盛り土の崩落部付近を歩いて、見て回っています」
7日午後、熱海市伊豆山の盛り土の崩落現場を訪れたのは、県警の捜査員と土木工学の専門家。県警は現場で盛り土が崩れた要因について説明を受けました。
盛り土の崩落をめぐっては「これまで盛り土の下に地下水が流れ込んでいた事が原因」とする考え方が主流でした。ところが、専門家が県警に示したのは別の要因でした。
<静岡県警に説明をした土木の専門家 清水浩さん>
「(静岡県の)調査する項目が不足していると感じる。(盛り土に)隣接する宅地造成の影響と表流水の影響が加味されていないので、そこは加えてていただくべき」
これまでは盛り土の下に集まった地下水が崩落の主な要因とされてきましたが、今回指摘されたのは表流水、つまり地面の表面を流れる雨水のリスクです。
盛り土の崩落現場のすぐ北側には広大な宅地造成地があり、2000年代に盛り土の前の所有者である神奈川県小田原市の不動産会社の関連会社が開発していました。
この地区の開発工事により、地表を流れる雨水の流れが変わったほか、排水対策が不十分だったため、このエリアからも盛り土へと雨水が流れ込んだ可能性を指摘しました。
土石流災害からまもなく1年が経ちますが、崩落の原因究明にはまだ時間がかかりそうです。しかし、今回も指摘されたように、業者による対策の不十分さとそれを黙認してきた行政の責任は最後まで検証する必要がありそうです。
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