確かに、強豪ひしめく東海地区の大会で、静岡県勢は“結果”を残し続けています。2021年の秋季大会では、日大三島と、その後のセンバツ出場の選考をめぐり、世間を揺るがした聖隷クリストファーが優勝と準優勝を分け合い、春季大会では、2021年から静岡県勢が3連覇を達成しています。


さらに、指導者の顔ぶれも様変わりしています。2002年、兵庫・報徳学園でセンバツ優勝を果たした永田裕治監督(日大三島)をはじめ、2000年夏準優勝の東海大浦安を率いた森下倫明監督は東海大静岡翔洋で、2007年、静岡県勢29年ぶりのセンバツ優勝となった常葉菊川(現常葉大菊川)の森下知幸監督も御殿場西で指揮を執るなど、県内にはいま、甲子園で実績を残した指導者が多くいます。

日大三島を30年以上遠ざかっていた甲子園へ春夏連続で導いた永田裕治監督

「永田監督が日大三島に来られて以降、静岡に有望選手が集まり始めている」(栗山編集長)、「これまでは県外から“2番手”の選手しか集まっていなかったが、ここ数年、バリバリのレギュラークラスがやってくるようになった」(高校野球関係者)。これまで中学世代の優秀な選手が次々と県外へ流出していた静岡は、いまや「いい指導者のもとでプレーしたい」という県外の生徒が集まる地区へと変貌を遂げつつあるのです。