「前あったものがなくなったのは寂しい…」豪雨から1年

あの豪雨から、まもなく1年となった7月31日。

再び松岳寺にうかがうと、お経を読むなど毎朝の“おつとめが”できるまでに復旧していました。しかし、いまだに本堂に畳を敷くことはできず、床の板がむき出しの状態で、ござを敷いている状況です。

また檀家の位牌が置いてある位牌堂も浸水したため棚の修復が必要です。この費用は全て檀家からの寄付でまかなわれるといいます。

【松岳寺 渋谷正淳さん】
「(檀家の中にも)ご自身のお家が被災なさってるお家もありますし、むしろ大変なのは檀家さんだろうになと思うんですけど、声をかけて頂けるだけありがたいと思いますね」

一歩ずつ復旧に歩んでいますが、集落の景色は変わりました。元通りというわけにはいきません。

【松岳寺 渋谷正淳さん】
「元々前にお家があって、向こうの山は見えない状態だったものが、更地になった関係で向こうが見えるようになりました。これだけでも景色は変わったし風の流れも変わったし…やはり何より前にあったものがなくなったのは寂しいですね」

渋谷さんは今、息子の耕平さんが住職を務める同じ関川村にある寺で暮らしています。

【松岳寺 渋谷正淳さん】
「令和2年(2020年)に湯沢の寺(松岳寺)に移りました。湯沢のお寺に行ったのも縁だし、そこで被災したのも縁だし、良いことも悪いことも全て縁ですから、その縁に従って生きていくしかない。被災したことによって、たくさんの方たちの力をいたいた。それもまたご縁ですから、すべて縁に従って生きていくしかないかなって思います」

一晩で生活を一変させたあの豪雨からまもなく1年。
様々な思いを抱きながら、それぞれの復興の道を歩んでいきます。