西アフリカ近隣諸国がニジェールに制裁を課したことを受け、隣国のナイジェリアも電力供給を削減したと発表しました。ただ、ナイジェリア国内でもガソリン価格の高騰で抗議活動が活発化していて、西アフリカで混乱が拡大しています。

ロイター通信などによりますと、ナイジェリアの電力事業当局は、クーデターによって大統領が拘束されたニジェールへの電力の供給を削減したと発表しました。

世界で最も貧しい国の1つでもあるニジェールは、電力のおよそ7割をナイジェリアに依存しているため、政情不安が長引けば国民生活への影響は避けられません。

一方、ナイジェリア国内では、長年続いてきた政府による燃料への補助金が5月に廃止されたことでガソリン価格が3倍以上に高騰。市民による抗議活動が拡大しています。

ナイジェリア政府は先月末、6億5000万ドル、日本円にしておよそ930億円の金融政策を発表していますが、過去20年で最も高いと言われているインフレのさらなる悪化は避けられません。

西アフリカでは、ニジェールのクーデターに始まり、政治的・経済的にも比較的安定していたセネガルで野党指導者の支持者と治安当局との衝突が拡大するなど政情不安が拡大していて、地域の不安定化の加速が懸念されています。