400年以上前から石川県輪島市名舟町の男たちに受け継がれる「御陣乗太鼓」。ところが少子高齢化により将来の太鼓の打ち手となる子供たちの数が少なくなっています。来年春に地元の高校を卒業し名舟町を去る予定の1人の高校生を取材しました。

恐ろしい木彫りの仮面を被り、割れんばかりの勢いで太鼓を打ち鳴らす輪島市の伝統芸能「御陣乗太鼓」。およそ450年前、能登に攻め込んできた上杉謙信の軍勢を村人が鬼や幽霊の仮面を被り太鼓を打ち鳴らして追い払った事がはじまりとされ県の無形文化財にも指定されています。


日本海に面する輪島市名舟町は60戸あまりの小さな集落です。太陽が海に沈む頃町の集会所に名舟の子供たちが集まりました。毎年7月31日に開催される「名舟大祭」そこで披露する「子ども御陣乗太鼓」の練習が6月下旬から行われていました。集まったのは小学生から高校生までの8人の子どもたち。40年ほど前は20人あまりの男子が集まっていましたが、近年は減少傾向が続いています。

御陣乗太鼓保存会 槌谷博之 事務局長
「一番下の小学生が4年生で、その下でいうと名舟にいる男の子は1歳の男の子まで全然いない。全然いないので高校生4人と小・中学生4人でやる」