止まらない物価高、中でも光熱費の高騰は全国の国立博物館や美術館にも影を落としています。JNNがアンケートを行ったところ、6割以上が施設の運営に「影響がある」と答えています。
東京・上野の「国立科学博物館」。全長およそ14メートルに及ぶマッコウクジラの巨大な標本や、上野動物園で飼育されていたジャイアントパンダの剥製など、500万点に上る文化財を収集しています。
ずらりと並ぶ動物の剥製。こうした文化財の多くは、温度や湿度を一定に保つことができる「収蔵庫」に保管され、痛まないよう慎重に管理されています。
ところが電気代の値上げが続き、5年前はおよそ2.2億円だった光熱費が今年3.8億円まで急増する見込みです。一時的に空調を切るなどの対応を余儀なくされているといいます。
国立科学博物館 動物研究部 川田伸一郎 研究主幹
「馬の皮って物凄く繊細、乾燥に弱い。一日中、空調を回しておければ本当は安心なんですけど、なかなか厳しい」
職場の照明や空調も消すなどしていますが、資金難に直面。一時、研究費から運営費を補填する事態にまで陥りました。
国立科学博物館 篠田謙一 館長
「光熱費が上がってその分払っていくと、他のお金がもたないということで、まだ使ってない研究費を全部引き上げた。これは恐らく初めての出来事」
これは国立科学博物館に限った話ではありません。JNNが全国に15ある国立博物館と美術館にアンケートを行ったところ、高騰する光熱費によって、施設の運営に「影響がある」と答えた施設は6割以上に上りました。このうち文化財の保管や収集などに「影響がある」と答えた施設も全体の2割に上っています。
国の担当者はこうした現状に理解を示しつつも…
文化庁の担当者
「コロナで減った入場者数も戻ってきていますし、国としては必要だと判断した場合には措置をしていきたい」
国立科学博物館は、この状況が続くと将来的に文化財の収集さえできなくなり、国の研究基盤に影響を及ぼす可能性もあると訴えます。
国立科学博物館 篠田謙一 館長
「この時期にきちんと物を集めておかないと、あのとき何が起こったんだろうということが後で検証できなくなる。自然史の標本をどう扱っていくのかという問題」
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