東京都では、6月10日から都民の旅行を補助する「都民割」を再開します。観光地からは期待の声が上がる一方で、持続的な支援を求める声も上がっています。

■都民割「もっとTokyo」再開へ 新プラン続々

梅雨入りした東京で、6月10日から再開するのが…

小池百合子 東京都知事(今月3日)
『もっとTokyo』をトライアルといたしまして、6月10から7月31日まで行います」

東京都は、新型コロナウイルスワクチン3回接種などを条件に、都民が都内へ旅行する際の代金を補助する「都民割」を6月10日から7月31日まで試験的に再開します。

宿泊を伴う▼6000円以上の旅行には1人1泊5000円、▼3000円以上の日帰り旅行には1人1回2500円を補助。また18歳までの子どもに対しては、いずれも1000円上乗せするとしています。

バス会社や旅行会社では、大きく減少した観光客を呼び戻そうと対応に追われていました。

はとバス広報担当
「今回、東京都の都民割の詳細がお子様には助成金プラス1000円上乗せという情報もありましたので、ご家族連れとかファミリーで楽しんで頂けるようなプランを検討しております」

はとバスではまだ具体的なプランの全容は、明らかに出来ないということですが、家族向けプランを充実させたいとしています。

近畿日本ツーリスト担当者
「比較的安いホテルに集中する傾向にある」

近畿日本ツーリストによると、宿泊で5000円の割引きを受けたあと自己負担額をギリギリに抑えるため、ビジネスホテルへの宿泊に人気が集まっているといいます。

近畿日本ツーリスト担当者
「例えば女子会ですね。普段はごはんを食べて帰るだけっていうところに、宿泊のプランということを考えていただけるかなと思います」

様々なホテルブランドを国内外で運営する星野リゾートも「都民割」の利用者をターゲットにしたプランを打ち出しています。


OMO5東京大塚 総支配人
「今回都民割りでご紹介するプランが、地元の銭湯の入浴券と、ご夕食・ご朝食がついたプランでございまして、銭湯はこちらの入浴券をお渡しさせていただきます」

大正時代創業の地元の銭湯で疲れを癒やし、風呂上がりにはコーヒー牛乳もついてくる入浴券付き。


夕食は地元豊島区の飲食店で…という具合に下町の良さを堪能するプランです。

OMO5東京大塚 総支配人
「(都民割は)感染者数が増えたので一度中止というような形になっていたと思ってまして、またウィズコロナの時代になったら再開されるだろうなというような前提で準備していたっていうようなところはございます」

■「もっとTokyo」にかける期待は

「もっとTokyo」は、2020年10月に始まりましたが、新型コロナの感染拡大で、約1か月で停止していました。

東京・浅草雷門近くで営業しているもんじゃ焼きの店「浅草つる次郎HANARE」。制限の解除によって、客足はだいぶ戻ってきているといいます。

もんじゃ焼き店 店長
「やはり都も『皆さんぜひ外に出てください』っていうことであれば、ちょっと堂々と出るきっかけっていうのにもなるのかなと思いますので、そこに期待してますね」

山本恵里伽キャスター
「『もっとTokyo』に向けて何か準備したことは?

もんじゃ焼き店 店長
「鰹節をその場で削って、お客さんに目の前で削ってるところを見ていただくっていうサービスを始めたりとか」


一方で、一過性ではなく持続的に営業を支える仕組みがないと、コロナ禍で落ち込んだ経営はなかなか建て直せないとも指摘します。

もんじゃ焼き店 店長
「元々県外、遠くの遠方からのお客様で結構賑わってた町ではあったので。東京都のサービスということで、果たして浅草に来て泊まってっていうところが観光地とかみ合ってくるのかなっていうのは、ちょっと懸念点もあるんですけども」

全国規模の観光支援事業「GoToトラベル」の再開は、いつになるのでしょうか。

松野博一官房長官(6月3日)
「GoToトラベル事業の実施については、今後の感染状況等を見きわめつつ、専門家の意見を伺って、引き続き、担当省庁において注意深く検討していくものと承知をしております」