記録的な大雨から1か月。
大きな被害を受けた美祢市では、今もその爪痕が残っています。
浸水被害の相次いだ地区では、ボランティアの復旧作業が続き、JR美祢線では橋りょうが倒壊したままです。
一方で、夏の風物詩・そうめん流しが営業を再開するなど、日常の風景も徐々に戻ってきています。
全線で運休が続くJR美祢線では、盛土が流出して橋りょうが倒壊し、当時の状況がそのまま残っています。
復旧の見通しはまだ立っていません。
6月末から先月1日にかけて、県内は記録的な雨にみまわれました。
特に大きな被害を受けたのが美祢市です。
JR四郎ケ原駅付近では、トラックなど7台が冠水し、現在も1人が行方不明となっています。
市によると、住宅の全壊・半壊合わせて56棟、床上・床下浸水は合わせて395棟で、公共土木施設の被害は123か所。
被害総額は、農地や土木関連で23億8千万円以上とみられています。
篠田市長は会見で、JR美祢線について次のように述べました。
篠田洋司・美祢市長「JR美祢線の復旧については『災害の復旧のシンボル』となるよう、継続して関係機関と連携し粘り強く取り組んでいきたい」
しかし美祢線は去年、JR西日本が発表した収支率が厳しい路線に含まれています。廃線の議論が始まることに懸念の声が上がっています。
多くの浸水被害が発生した美祢市東厚保町川東の住宅では、千葉や神奈川、大阪など県内外のボランティアが復旧作業を進めていました。
そのうちの1人、愛知県の赤池さんは、先月7日から美祢に滞在し活動しています。
災害ボランティア愛・知・人」赤池博美・代表理事「災害が起きる前以上の近所の付き合いであったり、住人さん、被災されたかたたちの生きがいというか、そういうもの持っていただけたら」
床下の泥出し、床の張り替えなどが主な作業です。
この家は、床上40センチぐらいの浸水被害に遭いました。
床上浸水した家の住人「(ボランティアの人は)大変やろうと思う。皆さん、よくしてくれて、本当助かります」
市によりますと、社会福祉協議会が設置したボランティアセンターを通じて活動したのはおよそ1280人。
また家屋への被害で住めなくなった14世帯36人が、市営住宅などで現在も生活しています。
記者「美祢市内、災害の爪痕は多く残っていますが、こちら、水神公園のそうめん流しは3日前に営業再開しました」
美祢市の夏の風物詩として有名なそうめん流しも、大雨で被害を受けました。
西寺水神公園そうめん流し・飯田俊博理事長「あふれた土砂が流れてきた。それも半端な土砂じゃなかった。7月1日に上がってきたときに、今季はとてもじゃないけどできないなって雰囲気でした」
滝から流れる水で会場は川のようになり、奥には土砂がたまっていたといいます。
道中の川沿いの道も、崩れていました。重機が入れない場所で、地域の人やボランティアの手作業による復旧作業で営業再開にこぎつけました。

お客さん「おいしいです」
「今年、そうめん流しができてよかったなと思います」
西寺水神公園そうめん流し・飯田俊博理事長「本当、皆さんのおかげでできたっていうのと、小さい家族連れとか上がってきたときに、おいしそうに食べるんですよ。それとか下のプールで水遊びされる。本当うれしい限りですね」
被災から復活を果たした夏の風物詩。
そこには、日常の風景が徐々に戻ってきているようでした。














