比叡山の麓に位置していて、2年間で4回も“土砂流出による被害”が起きている京都市左京区の上一乗寺地区。被害が増える台風シーズンを迎え、住民からは自治体の災害対策に懸念の声が上がっています。

「山がだんだん崩れてくる」「今年起こるのではと心配」

 京都市の北東部にある比叡山。古くから信仰の対象としても親しまれてきました。その山麓の住宅地でいま、不安の声があがっています。

 「山がだんだん崩れてくる。それがとまらなくなってしまって、避難するにも避難ができない」
 「赤い色になりましたね、濁流になると。今年起こるかなと思って、いまは心配しています」
3.jpg
 こう話すのは左京区上一乗寺地区の住民たち。自治会役員の鹿島龍次さんも被害を訴えます。
4.jpg
 (上一乗寺区民会 事務局長・鹿島龍次さん)
 「大雨で濁流が来て、ここまで砂がたまった。高さ50cmか60cmくらいありますよね」

 去年7月19日に京都市を襲った大雨。1時間に降った雨量は最大で88mmを記録し、観測史上最大となりました。
7.jpg
 この大雨の影響で上一乗寺地区は、比叡山の山麓から土砂が流れ込んだのです。車2台が埋まり、住宅にも土砂が入る被害が出ました。道が土砂で埋まるまでたった30分の出来事でした。
8.jpg
 けが人はいませんでしたが、復旧作業は10日以上続いたといいます。

 (上一乗寺区民会 事務局長・鹿島龍次さん)
 「ヒタヒタヒタと際限なく砂が出てくるんですよね。こんなことになるんだと驚きしかない、僕は」