ユネスコ=国連教育科学文化機関は、ウクライナの首都キーウなどにある世界文化遺産について、存続が危ぶまれる「危機遺産」に登録するよう勧告しました。

ユネスコが「危機遺産」の登録を勧告したのは、首都キーウにある聖ソフィア大聖堂などの建築物や、西部リビウの「歴史地区」です。

7月31日に公開された報告書によりますと、理由はともに戦争による影響で、キーウの世界遺産については「ミサイルや無人機が直撃するだけでなく、爆撃の衝撃によって、モザイクやフレスコ画が剥がれるおそれがある」「また、停電によって施設を一定の状態に保つことが出来ないことも脅威だ」などとしています。

これらは、サウジアラビアのリヤドで9月に開かれる世界遺産委員会で審議されることになります。

ユネスコはロシアによる侵攻開始以降、ウクライナの270か所の文化遺産の被害を確認。

今年1月には、南部の都市オデーサの「歴史地区」が世界文化遺産に登録されると同時に、「危機遺産」に指定されています。