仙台市議選では、低下傾向が続く「投票率」の向上を目指そうと市選管がPRに力を入れました。しかし、投票率は34.3%と過去最低を更新しました。その要因について専門家に聞きました。
仙台市選管では、若者を中心に投票を呼びかけようと、1980年代のゲームをイメージした「アニメ」を活用し啓発活動を行いました。

期日前投票をした人は前回4年前より1.03倍とわずかに増えましたが、投票率は34.3%と初めて35%を割り込み過去最低となりました。
市選管は「猛暑の影響もあるのでは」としていますが、専門家は、ベテラン議員が持っていた「組織票」の変化を指摘します。
地方選挙に詳しい東北大学大学院情報科学研究科 河村和徳准教授:
「コロナでなかなか(後援会)組織のメンテナンスができておらず、思った通りに票が伸びなくて、働きかけが十分ではなく(後援会が)今回はいいや暑いしと投票を棄権したと、それが結果になって表れているのかなと。ベテランが苦戦をしたり落選をしたこととリンクして考える必要がある」

市政の対立軸が分かりづらく「総与党化」して見られていることも大きいと話します。
東北大学大学院情報科学研究科 河村和徳准教授:
「与党に入れようが、野党に入れようが、変わらないという雰囲気を生み出している。ここも実はポイントなのかなと。行政改革とか公共事業に対してどうスタンスをとっているのか非常に見えにくい選挙だった」
その上で、立候補者全員が当選した日本維新の会については、次のように分析します。

東北大学大学院情報科学研究科 河村和徳准教授:
「維新の身を切る改革とか行政改革という話は非常に目立つ。そこに票が集中しやすい。そこが躍進するのは公約の中から見ても、いわゆる既成政党対新しい政党が対立軸になった」
今回の仙台市議選は、過去最低の投票率となりましたが、新たな対立軸が生まれる結果にもなり今後は、活発な議論が期待されます。当選した議員の任期は8月28日から4年間です。