2014年の噴火災害以降、立ち入りが制限されていた御嶽山の山頂直下の登山道で、一般登山者の立ち入り規制が9年ぶりに解除されました。
登山者数の回復が期待される一方で、安全意識の向上も求められます。

29日。
気持ちのよい青空が広がった御嶽山で、朝から多くの登山者が頂を目指しました。

2014年の噴火災害以降、段階的に立ち入り規制が緩和されてきた御嶽山の登山道。


最後まで規制が続いていたのが山頂直下の登山道でしたが、この日、王滝村側のピーク・王滝頂上と最高峰の剣ヶ峰(けんがみね)を結ぶ「八丁ダルミ」など2つのルートが解禁されました。

■高知から
「(出会った登山者から)一緒に当時登った方が6人亡くなって、それできょう来ているという話も聞きまして、心で冥福を祈りながら行きたいと思います」                           ■岐阜から(噴火当日も登山)                                   
「ちょうど二ノ池のところで(噴火に)遭って、大変でしたね。いつかは開通したら(また)登りたいなと思って、その日を待ってきました」

王滝頂上では午前10時半、越原道廣(こしはら・みちひろ)村長が、登山道のゲートを解除。

待ちわびた登山者や、慰霊のために訪れた人などが次々と足を踏み入れていきました。

■森記者
「噴火災害で多くの人が亡くなった八丁ダルミです。9年ぶりに一般の登山者が歩くことができる。ただ、火口のすぐ近くということで、皆、立ち止まることなく剣ヶ峰を目指しています」

噴火災害の死者58人のうち、17人が命を落とした八丁ダルミ。

大きな石や岩が転がり、ところどころに火山灰も見られますが、一見しただけでは噴火の痕跡は多くありません。

■森記者
「噴火災害後、きれいに整備し直された登山道の脇には、このような避難用のシェルターが設置されている」


安全対策として、王滝村は鋼鉄製のシェルター2基を設置。

ルート上に長時間滞留しないよう看板で注意喚起するほか、シーズン中はパトロール員が常駐して、登山道を見回ります。

その上で必要なのは、登山者それぞれの「活火山を登る」ことへの意識。

御嶽山ではヘルメットの着用が呼びかけられていますが、この日は、持参していない登山者の姿も目立ちました。

■埼玉から
「自然の胸を借りる以上、安全対策は自己責任としてやっていくということだと思う」                                                         ■東京から                                         
「ちゃんと注意書きを読んでヘルメットしてくるとかはしましたけど、我々が山に戻ってきて山と親しむことは、供養にもなるのではないか」

地元では登山者数の回復に期待を寄せています。

■王滝村・越原道廣村長
「噴火前と同じ状況にはならないんですけど、噴火前の状況に近づいたということで地元として大変うれしく思っています。情報をしっかり入手して、安全な登山を心がけていただきたいと思っています」

御嶽山の登山シーズンは、10月11日までです。