猛暑はやっぱりウナギで乗り切りたいという方も多いのではないでしょうか。

土用の丑の日を前に信州の「うなぎのまち」を取材してきました。

30日は「土用の丑の日」

ウナギを食べて猛暑を乗り切りたいところ…ですよね。

今や高価な「ウナギ」ですが、全国的にも消費量が高いとされる市が長野県内にあります。

街のいたるところにウナギ屋さんがあって…、泳いでいるのも「こいのぼり」…ならぬ「ウナギのぼり」。

ここは「うなぎのまち岡谷」です。

保育園や小中学校では毎年、給食にウナギが出て、「123人が一斉にうな丼を食べる」という不思議な日本一の記録も持っています。

なぜ岡谷市ではそれほどまでウナギが食べられているのでしょうか?

■岡谷市商業観光課・小口和久さん
「古くからですね、諏訪湖や天竜川で漁業が盛んでして、ウナギが郷土食として市民に大変親しまれてきました。だいぶ漁獲量も多かったし、消費量も多かったときいています」

かつて天竜川では、簗(やな)という竹で作った仕掛けを使ったウナギ漁が行われていました。

■観光荘・宮澤健(みやざわ・けん)社長
「江戸時代からここでウナギをとる簗という仕掛けがあって、昭和48年まではこの目の前で、ウナギを取ってました。太平洋から大きくなるために、諏訪湖まで遡上をして、産卵のために下ってくる鰻を取っていたような形ですね」

簗が設置されていた天竜川のほとりに立つウナギ専門店「観光荘(かんこうそう)」。

今は、太く脂が乗ったウナギを国の内外から仕入れ、鮮度や色合いをスタッフが常にチェックしています。

■観光荘・三ツ井義明工場長
「茶色っぽいのより青っぽいウナギの方が美味しいと言われてます。柔らかくて脂がのってる形です」

ウナギ店にとって、今が1年で一番忙しい時期です。

■観光荘・三ツ井義明工場長
「今日は540キロなんで1300本ぐらいは加工して、これから丑の日になるので、今一番量が多いときですね」

岡谷のウナギは調理法が独特です。

さばき方は背中から身を開く関東風の「背開き」。

しかし、焼き方はウナギを蒸す関東風とは異なります。

■観光荘・宮澤健社長
「焼き方はこのように、蒸さずに焼いていく形になるので、こちら関西風の焼き方になります。岡谷のたれは、信州寒いので甘くて濃い味付けになっていて、関東の開き方、関西の焼き方、甘い信州のたれが交わって岡谷流の味になっています」

たれに2度漬けしたウナギを備長炭でじっくり焼き上げれば…

どうです、この照り!

大きなかば焼き3切分が乗った「うな重の松(3950円)」。

肉厚な身は、中はフワッと皮はカリッと仕上げられ、うなぎ本来のうま味が凝縮されています。

岡谷で独自に発展したかば焼きの味を求め、全国からファンが訪れます。

■観光荘・宮澤健社長
「とてつもない猛暑の中で、『元気になった』と笑顔で帰られる言葉を聞くと、やっててよかったなと。それが我々も励みになって何とか乗り切ってます。」