「コロナ禍の代償」看護師・小澤さんの後悔

看護師として、小澤さんは英子さんに心を痛めていました。

(小澤さん)
「私も診療所でコロナをうつしちゃいけない。うつされちゃいけないというのがあったので、英子さんのところにいくのも安否確認みたいなことで行くことが出来なくなったんですよね、コロナで」

「代償として『孤独を感じた人』が増えただろうなと思いますよね。英子さんと話すのは私もつらいというか、ずっとお互い顔見たらそれでいいっていうかね。言葉にならないものがありますよね」

島の住民に見送られて...咲村和夫さん(77)の旅立ち

そしてこの日の午後、前日亡くなった咲村さんが島の外の火葬場に運ばれます。自宅では、家族が最後の別れの時を過ごしていました。亡くなる直前まで咲村さんに寄り添っていた小澤さんも、咲村さんのもとを訪れました。

(長女)  「冷てぇなーね」
(小澤さん)「冷たいね。冷たくなったねー」
(長女)  「このままビヨーンって起きてこなあかん」
(妻)   「目ぇ開けてなぁ」
(小澤さん)「コラーって起き上がってたよね」
(長女)  「そんなすぐとは思わなかった。あの担架に載せるんだね」
(妻)   「固そうやねぇ。あ、いけた、載ったよ」

看護師として、亡くなる直前まで咲村さんと家族に付き添っていた小澤さんです。港で咲村さん、そして家族を見送りに集まります。

(妻)   「87くらいならなぁ」
(小澤さん)「77やもんね」
(岩井さん)「頑張ったね」
(妻)   「きのう、もう疲れたんかなぁ言う感じ」

診療所を通して見えてくる、様々な命のやり取り。看護師の小澤さんは、島の命を支え、寄り添い続けています。

(「豊島の看護師・うたさん」シリーズ は関連リンクなどから読めます)