いきなりですが、なぜ熊本にはトップカテゴリーのプロスポーツチームがないのでしょう?
サッカー・バスケ・野球、三つのプロチームに聞いてみました。
今回集まってもらったのは、野球の九州アジアリーグ・火の国サラマンダーズ 神田康範社長、サッカーJ2リーグ・ロアッソ熊本 古賀亮ホームタウン推進部長、バスケットボールB2リーグ・熊本ヴォルターズ 福田拓哉社長の3人です。
この3団体は今年4月に「RED!RED!RED!KUMAMOTO」というネットワークを発足させ、ホームゲームが重なる日には、ファンが互いの試合会場に行きやすいよう、チケット優待企画を実施するなど、全国的にも珍しい協力体制をとって熊本のスポーツを盛り上げています。
この取り組みについて、各チームはどのように分析しているのでしょう?
火の国サラマンダーズ 神田社長「本当に今年3月に急に思い立って、みんなで揃って始めたので、時間をかけて来年はしっかり企画していければもっと面白いのではないかと思いました」

ロアッソ熊本 古賀部長「ロアッソには、Sallys(火の国サラマンダーズ公式ダンスユニット)であったり、VG(熊本ヴォルターズチアリーダーズ)がありませんので非常にいつもと違ったエンターテイメントをお客様に提供できたということは、すごくありがたかったです」

--福田社長は新潟経営大学や九州産業大学で教鞭を執った経験がありますが、この取り組みは全国的に見ていかがですか?
熊本ヴォルターズ 福田社長「具体的な横連携をする組織はあまり多くないです。そういう意味ではすごく珍しい部類に入るのではないかと。どうしてもスポンサーの獲得などで競合しているというふうに見る方もいらっしゃると思いますが、目指しているところはスポーツを通じた熊本県の活性化、この部分は共通だと思います」

協力体制を取り、支え合う3チームですが、似たような課題を持っています。
設備が不十分と指摘されるリブワーク藤崎台球場、アクセスに課題を残すえがお健康スタジアム、そして新B1基準を満たさない県立総合体育館。

本拠地、いわゆる「箱」問題です。
球場、スタジアム、アリーナについてどういうふうに考えているのでしょうか?
神田社長「明らかに熊本県に球場が足りないという意識はあります。私自身が高校の時も、藤崎台球場でプレーをしていましたが、ウォーミングアップさえちゃんとできない。そういう状況なので、何とかして未来の子供に球場を作りたいと思っていますし、NPB2軍への参入に挑戦するにあたっても、どこの県もやはりメインの球場には室内練習場など設備が整っている中で、熊本の球場はなかなかそれができてない」
「私はもう堂々と『足りないから作るべきだ』というのを言っていこうと。そうした動きからこそ、新しいものができていくってところに繋がると思います」

--理想のホームグラウンド、本拠地とはどんなもので、どんな場所にしたいですか?
福田社長「なかなか難しいですね。今のスポーツ庁や経済産業省が推し進めている考え方というのは『まちなかスタジアム・まちなかアリーナ』という考え方です。
「今までは郊外型のスタジアム・アリーナでしたが、これから21世紀型のスポーツ施設っていうのは、やはり街の活性化、経済、人の賑わいを作るためのシンボルマークとして位置づけましょうと。これは明確に国の方針としても位置づけられていますので、そういったところと絡めた施設っていうのが必要になってくるだろうと思います。今実際もう日本中にそういったコンセプトで新たなスポーツ施設がどんどん出来上がっていますので、熊本にもいち早くそういうものができたらいいなと思っています」
神田社長「ただ、広島のサンフレッチェはもうできますよね?」

古賀部長「はい。やはり全国ではそういう動きが実際に起きていますし、実際にもう完成しているので『熊本はできないよ』ということも言えないとも思っています」
福田社長「今作られている広島、実際にできたところだと、北海道北広島市の日本ハムファイターズの新球場です。北広島市は住宅地、商業地の土地価格上昇率が全国1位になりました。それから沖縄アリーナなど、もう町のランドマークとして、
スポーツ施設の建設を通じて経済が活性化していく成功事例もできつつあります」
