連日の暑さで、海水浴など水辺で遊ぶ人たちが増加。それに伴い、水難事故も増えてきています。いざというときに、知っておきたい対処法を、Nスタスタッフが身を以て体験してきました。
“水泳トップ選手の全速力と同じ速さ”で流される…
南波雅俊キャスター:
16日、島根・出雲市では、子ども2人が沖に流されて、救助に向かった父親が溺れて亡くなりました。また、新潟・柏崎市では、親子3人が沖に流されて、こちらは近くにいたサーファーなどが救助して命は助かった。

事故が相次いでいる原因と考えられているのが、「離岸流」というものです。

沖から岸側へ、波が打ち寄せると、基本的には岸に沿うようにして流れができる。ただ、一部では、10~30mほどの幅で、沖に戻るような強い流れが発生します。1秒で2m進むこともあるということです。
2022年、海上保安庁が行った調査では、海水に色付けできる着色剤を使って、流れを可視化すると、本来なら海岸線に沿って流れるはずが、どんどんと沖の方へ広がって、砂浜から30mほどのところまで達した。
離岸流を、Nスタのディレクターが実際に体験をしました。
14日、東京・江戸川区で、子どもを水難事故から守るイベントが行われました。
ここでは、離岸流を疑似的に作り出して体験できるコーナーもあり、Nスタの大鶴ディレクターが挑戦しました。

流れに逆らって泳ごうとするんですが、全然進まない。20秒ぐらいであえなくリタイヤ。わずかな時間でしたが、疲れ切って、ボートに戻るのもやっとだったといいます。
この離岸流に関しては、松田さんもご経験されたことがあると。
松田丈志 元競泳日本代表:
私は、ウォーターセーフティと言って、自分の身を守るための資格を取っているんですけれども、速いときは、秒速2mにもなるといわれている。それがどれぐらい速いかというと、世界のトップ選手が全速力で泳ぐ100mのタイムくらいの速さなんですね。今の私が、秒速2mの離岸流に向かって泳ぐとしたら、多分30秒ももたないです。それぐらい速いスピードが生まれる離岸流なので、やはり海に入る前に、どこに離岸流が発生しているのかというのを確認する必要がありますね。
ホラン千秋キャスター:
目視ではわからない?
松田丈志 元競泳日本代表:
目視でもわかります。浮遊物の流れであったり、色が違ったりします。海であれば、地元の人、ライフセーバーに聞けば、必ず離岸流の場所っていうのは把握してますので、まずはそれを知った上で、海に入っていってほしいと思いますね。