世界有数の穀物輸出国でもあるウクライナ。戦争中でも穀物を安全に輸出する合意から、ロシアが一方的に離脱しました。世界の食料供給を支えてきたウクライナの穀物輸出が滞れば、食料危機を招きかねません。世界の飢餓人口が5000万人増えるという試算も。すでに小麦などの国際価格は高騰。「日本の食卓」への影響は?どんな食品に影響が?手作り解説でお伝えします。
食の「人道回廊」破綻の危機…

ロシアが離脱した黒海穀物輸出合意は…ウクライナ産の穀物を積んだ輸送船がオデーサ港などから、トルコのボスポラス海峡を通って、地中海に抜けられるようにする合意。
2022年の7月にトルコ、国連の仲介でウクライナ、ロシアが合意していました。合意成立以降、3300万トンの穀物が45か国に輸出されています。侵攻の前までウクライナの穀物の98%が黒海ルートでした。
代替ルートではまかなえない

黒海の安全な輸送が脅かされると、ウクライナは迂回ルートを摸索。隣国ルーマニアを経由して、黒海に抜けるルート、ポーランドを経由してバルト海に抜けるルートはすでに輸送が行われています。このほかにも、クロアチアは自国を経由してアドリア海へ抜けるルートの提案をしていますが、いずれも鉄道や港の設備状況から積み込める穀物量が制限され、黒海ルートをカバーできるほどではありません。