みなさんはタコお好きですか?日本はタコの世界の消費量の約60%を占めるほど「タコ好きな国」なんです。しかし、その一方で漁獲量は年々減少。そんな中、マダコの養殖に向けたタコの赤ちゃん=稚ダコの開発が岡山県で進められているということで、その姿を見てきました。

(岡山県農林水産総合センター水産研究所専門研究員 亀井良則さん)「こちらの水槽に稚ダコがいます」

(杉澤眞優キャスター )「この子ですか?いましたいました。足も8本あって動いてます可愛い~」

生後46日目のマダコの赤ちゃん。吸盤で壁にくっつきながら元気に動いています。瀬戸内市牛窓町鹿忍にある県の水産研究所です。約6年前から稚ダコの個体数の増加や生残率の向上などに向け研究を行っています。

(岡山県農林水産総合センター水産研究所専門研究員 亀井良則さん)「マダコは海でだいぶ減ってしまっていますので、マダコ資源を増やすような取り組みにつなげていきたいと考えております」

倉敷市の下津井など岡山の味覚の一つとしても知られるマダコ。しかし、国内での漁獲量は右肩下がり。人工的に稚ダコを飼育することが難しく、これまで養殖の事業化は行われていません。

そんな中、6年前、国の研究機関が稚ダコの生産技術の開発に成功。そこから養殖の実用化に向けたプロジェクトが始動し、岡山県水産研究所は参加する5団体の1つで研究・開発を進めています。

(岡山県農林水産総合センター水産研究所専門研究員 亀井良則さん)「稚ダコをつくるための、エサの条件や水流の条件が分かってきまして、岡山県で稚ダコをつくる数をだいぶ増やせたということが成果」

岡山県水産研究所では今年、稚ダコの個体数を3年前の約3倍の7000匹まで増加させることに成功。今後、大学や民間企業に引き渡し、飼育方法やエサの開発が続けられ、将来的には放流を目指したいと話します。

(岡山県農林水産総合センター水産研究所専門研究員 亀井良則さん)「つくったタコが海で大きくなって、それで漁獲量が増えてくれると嬉しい」

まだまだ始まったばかりのマダコの養殖に向けた生産技術の開発。県産マダコの安定供給に期待がかかる研究から目が離せません。