一向に下がる様子が見えない燃料費。
地域の交通を担うバス事業者も、大きな負担を強いられています。
■長電バス乗合バス課・小林修課長 「ここが当社の給油スタンドになってます。ここで朝晩各自で給油しています。1週間ごとに日に日に値上がりしてて大変ですね」
長野市や須坂市などを走る長電バスの長野営業所。
路線バスおよそ70台、貸切バス30台、高速バス10台ほどを運行しています。

バスの燃費は、軽油1リットル当たり、およそ3キロと言われています。
神奈川県から帰ってきたこちらの貸切バス。
■運転手
「これだいたい(タンクは)400ちょっとですね。420(リットル)ぐらい」
1回の運行で給油した量は190リットル近くに及びました。

長電バスでは3、4社から燃料を仕入れていますが、軽油の価格は、3年前のおよそ1.5倍になっています。
こまめにエンジンを切るといった対応もありますが、冷暖房なども必要なことから、抜本的な対策は難しいといいます。

■長電バス乗合バス課・小林修課長 「乗務員にはアイドリングストップとか言ってはいますけども、この暑さの状況ですのである程度アイドリングした状態で、(冷房をかけて)お客さんを迎えるという話になりますので、なかなかそういうところでの節約が厳しくはなってきてはいます」
公共交通機関として欠かせないバスの運行ですが、業界は、燃料費高騰に加えて、運転手不足といった問題も抱えています。
7月に入って別のバス会社では、体調不良を訴える運転手が相次ぎ、高速バスや路線バスの一部を運休せざるを得ない状況となりました。
■長電バス乗合バス課・小林修課長 「昔から募集かけてもなかなか集まりづらい状況ですし、あすはわが身かなと思って気が引き締まりました」

バスの運転には人命を預かる責任もあるため、大型免許を生かして、条件の良い物流業界などに転職してしまうケースもあるといいます。

■長電バス乗合バス課・小林修課長 「乗務員が足りなくなれば身の丈にあった仕事量に抑えていくしかないっていう話になると。秋に向けて動いてはいますが、減便も視野に入れながらという感じになってきてしまいます。でもそうしちゃうと地域の足にも影響があるのでその辺で、痛しかゆしのところもあります」
バス路線の維持のため、一部には行政の支援も入ってはいますが、燃料費の高騰が構造的な問題に追い打ちをかけています。














